バイブロプレックス


■戦前のバイブロプレックス・オリジナル
Vibroplex Original
 1922年に製造された戦前のバイブロプレックス・オリジナル。漆塗りが原形のまま保存されてきたレアもの。バイブロプレックスの技術がいかんなく活かされていて高速打鍵のタッチは最高級であるという。入手が困難なため相場は不定。


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■バイブロプレックス No. 6 デラックス
Vibroplex No. 6 Deluxe
 1929年の製造。第二次世界大戦で米海軍の1級無線通信士ユージン・ボイヤー(Eugene Boyer)が使用したもの。子息のビル・ボイヤー(W5KFG)からN4EKVの手に渡った。
 現地時間の1941年12月7日、日本軍が真珠湾攻撃を仕掛けたとき、ユージン・ボイヤーは、真珠湾で炎上するドビン号に駆けつけて任務に就いたという。


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■戦時中のバイブロプレックス・デラックス・オリジナル
Vibroplex Deluxe Original
 1940年に製造された初期のバイブロプレックス・デラックス・オリジナル。1940年当時のものはフレームとダンパー(振れ止め)が角張っているのが特徴である。


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■バイブロプレックス・オリジナル
Vibroplex Original
 1948年のバイブロプレックス・オリジナル。古趣を温存。


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■戦後のバイブロプレックス・デラックス・オリジナル
Vibroplex Deluxe Original
 1953年製造のニューヨーク・ブロードウェイ版。シリアル番号は18万番台。相場は良品で225ドル以上。


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■J-36 ライトニング・バグ(ホタル)
J-36 by Vibroplex
 第二次世界大戦に米軍が前線や基地でモールス通信に用いた型。バイブロプレックス社も米軍のJシリーズ電鍵を製造していたことはあまり知られていない。
 このJ-36は、バグキーのバグをもじって「ライトニング・バグ」(蛍:Lightning Bug)とも呼ばれた。写真のJ-36には米軍通信隊(1941年)とある。絶縁体には雲母が用いられている。相場は良品だと200ドル以上。


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■バイブロプレックス・ライトニング
Vibroplex Lightning
 1962年のライトニング・バグ(蛍)。天辺の三角形のプレートがバイブロプレックス・チャンピオンと似ている。


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■バイブロプレックス・プレゼンテーション
Vibroplex Presentation
 1965年のバイブロプレックス・プレゼンテーション・オリジナル。


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■バイブロプレックス・プレゼンテーション
Vibroplex Presentation
 1973年製造のニューヨーク・ブロードウェイ版。シリアル番号は27万番台。この年のプレゼンテーションは、まだメインスプリングが調整可能だった。相場は良品で350ドル以上。


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■モデルX
Model X
 米国ニューヨークのホレイス・マーチン(Vibroplexバグキーの設計者)の作によるバイブロプレックス。「モデルX」または「バイブロプレックス“X”」と呼ばれている。1911年に製造が開始された。
 1919年になると、丸い振り子と分銅を特徴とする改良版が開発されたが、2年間で製造が打ち切られた。
 この写真のモデルXは1919年から1920年の間に製造されたもので、モデルX改良版C3と呼ばれ、シリアル番号は7万5,000番台。相場は多少汚れていても1,900ドル以上。


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 この写真のモデルXは1912年製。


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■大理石のモデルX
Marble-Based Model "X" BUG
 大理石の基台を用いたモデルXだが、これはATOZの手による複製版と推測されている。


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■1925年のバイブロプレックス・オリジナル
Vibroplex Original
 1925年に製造された比較的大型のバイブロプレックス・オリジナル。ニューヨーク・ブロードウェイ版。シリアル番号は9万4,000番台。相場は良品だと数百ドル。多少汚れていても100ドル以上。壊れて汚れていると100ドル弱。


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■バイブロプレックス・バーチカル
Vibroplex Vertical Line Chief's Key
 1918年前後の作。ニューヨーク・ブロードウェイで製造された。


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■マーチン・バイブロプレックス
Martin Vibroplex
 1906年に製造され、シリアル番号が2,600台という初期のマーチン・バイブロプレックス。当時のマーチンにはホレイス・マーチンの名が銘板に刻印されている。
 1903年にホレイス・マーチンが初のバイブロプレックス・オリジナルを開発して以来、このマーチン・バイブロプレックスは二回目の設計変更版である。
 このバグキーはヘビーユースに向いているため、通信会社のウエスタンユニオンや鉄道会社の通信士らが使用していたと伝えられる。相場は、多少汚れていても、1,000ドルか、それ以上。


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■マーチン・オートプレックス
Martin Autoplex
 これは第二世代のマーチン半自動バグキーのマーチン・オートプレックス。直流電源で短点の自動連続送出をおこなう仕組み。


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■マーチン・ジュニア
Martin Junior
 マーチン・ジュニアは1921年〜1939年に製造された。トム・フレンチの著書「バイブロプレックス・コレクターズガイド第三版」によると、写真のマーチン・ジュニアは1921年製造のもの。相場は、多少汚れていても350ドル前後か、それ以上。


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■ゼフィル
Zephyr
 ゼフィルは1939年前後に製造が始まったが、写真の電鍵は1945年のもの。第二次世界大戦に米軍の通信隊が使うために製造されたタイプのものである。後年のバイブロプレックス・チャンピオンと同じく基台が細長い。赤いノブは別のスペアを取り付けたもの。相場は、多少汚れていても150ドル前後か、それ以上。


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■ミゼット
Vibroplex 'Midget'
 バイブロプレックス・ミゼット。シリアル番号は69,685番なので1919年の作。非常にレアで入手困難なため、相場は不詳。トム・ペレラの調査では世界で6個しか確認されていない。ペレラ自身は1999年のデイトン・ハムフェスティバルで入手した。


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 下のミゼット(K8DV所有)のシリアル番号は70,235番。


■戦後のバイブロプレックス・オリジナル
Vibroplex Original
 1947年製造のバイブロプレックス・オリジナルのスタンダードモデル。このモデルは1930年代から1950年代まで製造して使われたロングセラーである。
 写真の電鍵は後期のものなので、使われている部品のうち、フレームとダンパーは、丸みを帯びた新しいタイプのものである。相場は、良品なら130ドル前後か、それ以上。


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■初期のブルーレーサー
Blue Racer
 1919年製造のブルーレーサー。旋回軸がクローバの葉のような形状をしているのが特徴。この型は2個の分銅を付けている。
 電鍵ケーブルの末端にはクサビ状のプラグが付いているが、これはウエスタンユニオンや鉄道会社の通信に用いられていたことを示す手がかりであり、縦振り電鍵にバグキーをつないで打鍵するためのプラグである。相場は、良品なら300ドル前後か、それ以上。


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■ブルーレーサー
Blue Racer
 1955年製造のブルーレーサー。シリアル番号は19万番台。当時、斬新なデザインのブルーレーサーとしてもてはやされた。後部にあるL型のダンパーと、小型化されたフレームが特徴。この年代のブルーレーサーの相場は、良品なら300ドル弱か、それ以上。


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■ハイブリッド・バイブロプレックス・オリジナル/ブルーレーサー
Hybrid Vibroplex Original / Blue Racer
 ブルーレーサーのバリエーション。クローバの葉の形状をしたフレームが採用されている。1926年前後にニューヨーク・フルトン通りで製造。


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■バイブロキーヤー
Vibrokeyer
 1960年から現在に至るまで製造され続けているロングセラー。写真は1967年製造のバイブロキーヤー・スタンダード。この時期のバイブロキーヤーはベージュ色の基台を採用したものが多く売れた。


■バイブロプレックス・デラックス iambicパドル
Vibroplex Deluxe Iambic Model
 1979年から製造を開始した現行製品。バイブロキーヤーと形が似ており、バイブロプレックス・オリジナルとの共通部品も見られるが、こちらはiambic方式のエレクトロニック・キーヤーに対応したデュアルレバー電鍵である。
 基台はスチールで、ゴールドの銘板が付いている。


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■バイブロプレックス・チャンピオン
Vibroplex Champion
 バイブロプレックス・チャンピオンは1939年に生産が始まったが、1978年に事業家のピーター・ガルソウ(Peter Garsoe)がバイブロプレックス社を買収したことから経営方針が変わり、米国メイン州ポートランドへ移転した後の1980年に製造停止となった。
 前期のチャンピオンの基台は黒いチリメン塗装が多く見られ、後期のものはグレーの塗装が多く見られる。チャンピオンは、その機能美と、軽快で歯切れの良い打鍵フィーリングと、打鍵スピードの可変範囲の広さから、現在も日本人を中心にファンが多い。


■バイブロプレックス・プレゼンテーション
Vibroplex Presentation
 1983年に製造が開始されたバイブロプレックス社の第三のバグキー。写真は初期の豪華版のバイブロプレックス・プレゼンテーション・ゴールド。