か〜こ

本章の目次

           

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◆カーチャンク
kerchunk
交信を目的とせず、自分のコールサインも言わず、そのリピータが使えるか? 自分のトランシーバはリピータにアクセスできるかどうか? を知るだけのためにリピータにアクセスすること。カーチャンクはれっきとしたアマチュア無線用語だが、あまり浸透していない。

◆カード
card
QSLカードのこと。

◆カー・トランシーバ
mobile transceiver / car transceiver
車載用のトランシーバ。英語圏ではモービル・トランシーバまたはモバイル・トランシーバと呼ぶことのほうが多いが、ケンウッドなど日本メーカーが英語圏の国々で「CAR TRANSCEIVER」と銘打って車載用のトランシーバを輸出・販売しているので、「カー・トランシーバ」と言っても通じる。

◆カーレント
Current
電気回路上の電気の流れ。「電流」。「現在の」という意味もある。

◆開局
open radio station
アマチュア無線従事者免許を取得し、その人が無線設備を整えていつでも電波を発射できるようにしてから局免許を申請し、局免状が届いた段階で初めてオンエアすることを開局という。

◆海上移動
maritime mobile
「マリタイム・モービル」ともいう。船舶から運用すること。
ARRLの国際マリタイム・モービルのガイドライン。「オケラネット」を参照。

◆回折
diffraction
電波などが山やビルなどの障害物にぶつかったとき、電波などが直進せずに回り込んで伝わっていくこと。障害物に対して波長が長いほど回折角が大きい。障害物に対して波長が非常に短いと回折せず反射する。回折により、見通し距離外に伝搬することもある。

◆回折波
diffraction wave
回折により伝播する電波。「地上波」(ground wave)の一種。「地上波」を参照。

◆回路
(electric) circuit
電流が流れるように導体を配線してつないだもの。電気回路。

◆カウンタ
counter
一般的には「計数器」だが、特に「周波数計」(周波数カウンタ)を意味することがある。アナログで周波数を表示するものと、デジタルで周波数を表示するものとがある。「周波数カウンタ」はデジタル式の「計数型周波数計」を意味することが多い。

◆カウンターポイズ
counterpoise
アース(接地)が難しいとき、地面に接地棒とワイヤーを埋め込まず、地面にはわせたり、地表から数メートル以内の高さにワイヤーなどを張ったりすることをいう。ワイヤーと地面の間のキャパシタンス(静電容量)によってアースの効果が生じる。

◆可聴周波数
audible frequency
人間が耳で聴き取ることのできる周波数。一般に可聴周波数は20Hz〜20,000Hzである。可聴周波数は低周波の周波数に属する。

◆カップラー
coupler / antenna coupler
「アンテナ・カップラー」の略称。アンテナの性能をベストに引き出すための装置。「カプラー」などとも表記する。送信機とフィーダの間か、またはフィーダとアンテナの間に入れて用いる。当該周波数に合わせた容量のコイルとバリコン(バリアブル・コンデンサ)を組み合わせ、バリコンを調整して整合をとる型式のカップラーが一般的である。

◆かぶる
get interference
交信中の周波数と同じか、または近隣の周波数の電波をかぶせられて混信すること。

◆可変コンデンサ
variable condenser
ツマミを回転させたりして容量を変化できるコンデンサ。「バリアブル・コンデンサ」ともいう。俗に「バリコン」とも。回路図ではVCと略す。

◆可変周波数発信器
Variable Frequency Oscillator
バリアブル・フレケンシー・オシレーター。「VFO」と略す。送信周波数を変えられる送信機の発振回路として必須のデバイス。

FETを用いたVFOの回路図

◆可変水晶発振器
Variable Crystal Oscillator
「VXO」と略す。本来、水晶発振器は特定の周波数を発生させるものだが、これにバリアブル・コンデンサ(俗称バリコン)などの周波数可変デバイスを付加して数十kHz程度の狭い範囲の周波数可変メカニズムを実現する。一般のVFOよりも周波数の安定度が高いのが長所である。

◆過変調
overmodulation / modulated too much / too much modulation
送信時、マイクの音量が大きすぎたりして発射電波の質が悪くなること。過変調された電波は音質が歪むだけでなく、スプラッター(splatter)が発生して送信周波数の上下の数10kHzにわたって妨害電波を発射する結果となる。俗に「オーバーモジ」とも。

◆可変抵抗器
variable resistor
抵抗値を連続的に変化できる抵抗器。ツマミを回して変化させるものや、スライドを動かして変化させるもの、基板上にあってマイナスドライバーでネジを回すようにして変化させるものなどがある。無線機器の場合は機器内部の基板上に非常に小さな可変抵抗器が搭載されていることがあり、機器のカバーを外して基板上の可変抵抗器の回転部分を小さなドライバーなどで回して種々の設定をおこなうこともある。「ボリューム」ともいう。俗に「バリオーム」とも。「VR」という略号を用いる。

◆可変容量ダイオード
variable capacitance diode
電圧を与えるとPN接合部の静電容量が変化することを利用したダイオード。周波数変調(FM)回路などに用いる。マイクロ波の周波数逓倍などに用いるものは特に「バラクター・ダイオード」(varactor diode)とも単に「バラクター」(varactor)とも呼ばれる。一般に二つの端子を持つ半導体素子を「ダイオード」という。「di」は「二つの」を意味する接頭語。

◆カラーコード
color code
バーコードのように複数の帯状の色を抵抗器やコンデンサなどのパーツの表面に塗ることでパーツの定格(抵抗値や容量)を示す色符号。

◆カラS
-
微弱電波を明瞭に受信する目的で用いるプリアンプを何段にも挿入したり、受信感度を上げ過ぎたりすると、無信号時でもSメーターが振り切れた状態になるが、これが「カラS」または「空S」と俗に言われる状態。

韓国アマチュア無線連盟
Korea Amateur Radio League
「KARL」と略す。1955年に東国無線高等学校で校長名義による実験アマチュア無線局が開局し、それから間もなくKARLの創立総会が、東国無線高等学校で開かれた。H.L.A.(HLA Award)やA.K.A.(All Korean Prefix)などのアワーを発行している。

◆緩衝増幅器
buffer amplifier
「バッファアンプ」の日本語訳。発振器と、その後段との関係を疎遠にして後段の負荷の変動が発信器の発信周波数が不安定にならないようにする回路。

◆感度
sensitivity
感じる度合の高低。受信機の場合、どれだけ微弱な信号でも受信できるかどうかの度合い。

◆カントリー
country
「国」「国家」。かつてDXCC(DX Century Club)のDXCCリストでは世界の国々をカントリーと呼んでいた。しかし1998年1月17日にARRLの「DXCC 2000委員会」(DXCC 2000 Committee)がDXCCの新基準(criteria)を制定、1998年3月31日に施行した結果、「カントリー」と言わず「エンティティ」と呼ぶようになった。これは、「国」以外に「地域」が事実上の「国家」として存在している現実、同一国の中に行政的に特別扱いされている地域や極端に離れた飛び地があることなどによる。2007年9月現在、DXCCリストのエンティティ数は337だが、この中に小笠原(Ogasawara)と南鳥島(Minami Torishima)が独立したエンティティとして含まれている。逆に削除されたエンティティが58あり、その中に琉球諸島(Ryukyu Is.:現在は沖縄)と沖ノ鳥島(Okino Tori-shima)が含まれている。337というエンティティ数は、ISO(国際標準化機構)の国名コード数の244や、国連加盟国総数の192よりも、はるかに多い。「エンティティ」は国家などの自主独立体を意味する言葉。DXCC(DX Century Club)の名誉あるDXCCアワード(会員証:DXCCカードを兼ねる)を獲得するためには、ARRLが規定するDXCCリストに基づく世界の100エンティティ(entity / entities)以上のアマチュア無線局と交信し、それぞれQSLカードを得る必要があるが、かつては「エンティティ」と言わず「カントリー」と呼んでいた。DXCCを参照のこと。

◆ガンマ・マッチ
gamma match
八木アンテナなどのビームアンテナでしばしば用いられるマッチング(整合)の仕組み。エレメントに平行して取り付けるロッドを固定したまま、ショートバー(shorting strip)をスライドしてマッチングをとる。給電部の配線が γ (ガンマ)型をしていることからこのように呼ばれている。他にオメガ・マッチというマッチングもある。



◆キー
key
電鍵のこと。電鍵の項目を参照のこと。

◆キー局
key station / keystation
3局以上の局がラウンドQSOでラグチューをしているときや、あらかじめ約束し合った周波数で複数の局が参加してQSOするオンエア・ミーティングなどで、司会役を演じる局をキー局という。英語圏で「key station」というと、その地区の代表格のクラブ局を意味することもあるが、これは放送網に番組を流す親局をキー局(key station)と言うことによる。

◆キークリック
key click
送信時の電鍵操作(特に接点と接点を合わせる“キーダウン時”)で発生する「カリッ カリッ……」という不快なノイズ。電鍵の接点だけでなく、リレーのチャタリングが原因のこともある。接点を磨いたり、キークリック・フィルタを用いたりして防ぐ。

◆キー・コレクター
telegraph key collector
電鍵収集家。

◆キーヤー
keyer
電鍵、またはエレクトロニック・キーヤーの略称。英語でKEYER PADDLE(キーヤーパドル)といえばエレクトロニック・キーヤーにモールス符号を送り込むためのパドルのこと。

米国MFJ社のエレクトロニック・キーヤー

◆ギガ
giga
10億(1,000,000,000)倍の単位表現。ギガはメガの1,000倍である。略号はG。

◆寄生振動
parasitic oscillation
発振回路の設計や配慮を誤ったり、入力〜出力間に回り込みが起きたりしたときに発生する異常振動。これが起きると、スピーカーとマイクがハウリングを起こすように、目的の周波数以外の発振が発生して正常に動作しない。「寄生発振」ともいう。日本風つづめ読みでは「パラ」ともいう。

◆寄生発振
parasitic oscillation
「寄生振動」に同じ。

◆キット
kit
パーツをばらばらに購入して組み立てる手間を省くため、(無線機や電鍵などの)組立用部品一式が揃ったセットをキットという。一部だけ組み立ててある場合は半完成キットということもある。
米国ヒースキット社(Heathkit)はアマチュア無線機器キットのメーカーとして有名である。

◆記念局
Commemorative Station / special event station
アマチュア無線フェアやエキスポや偉人の生誕記念イベントなどを記念して一時的に運用する局。記念局には特別な記念コールサイン(commemorative callsign)が割り当てられることもある。たとえば2007年10月4日に運用を開始した記念局 GB5OSO は、世界初の人工衛星「スプートニク1号」打ち上げ(1957年10月4日)の50周年を記念してイギリスのJohn(G7HIA)とRobert(G8ATE)が立ち上げた。日本では、1992年、国際宇宙年を記念して北海道で特別記念局 8J8ISY を開設、運用した。

◆逆V型アンテナ。
inverted V anntena
狭い敷地で、家の屋根や一本の柱からワイヤーを左右に1本ずつ下方向へ張るだけで完成する。かんたんに設置できるので人気がある。「インバーテッド V アンテナ」ともいう。

インバーテッド V ダイポール・アンテナ

◆ギャップ
gap
電鍵の接点の間隔。これを調整して打鍵しやすいフィーリングにする。

◆キャパシター
capacitor / condenser
「コンデンサ」「蓄電器」の別名。英語圏の人に「コンデンサ」と言うと「熱交換器」と誤解されやすいので、「キャパシター」と表現すること。

◆キャパシタンス
capacitance
日本語の定訳は「静電容量」。コンデンサや導体が蓄電できる量を表わす定数。記号はC。電荷のQとキャパシタンスのCと電圧のVの関係は「Q=CV」である。「共振回路」を参照のこと。

◆キャパシティ
capacity
「容量」。記号はC。

◆キャビティ
cavity
「空洞」の意味。マイクロ波で用いられるキャビティ共振器は金属筒の形状をしており、中が空洞になっている。

◆キャメルバック・キー
Camel Back key
打鍵ノブを支えるレバーアームがラクダ(Camel)の背中のように湾曲した縦振れ電鍵。

CT Camel Back Deluxe Hand Key

◆キャラクター・ジェネレータ
character generator
文字のタイトルなどを映像に表示するための装置。スーパー・インポーズ装置の一種。アマチュア無線ではSSTV(スロースキャン・テレビジョン)やATV(アマチュア・テレビジョン)でコールサインなどの文字を掲示する目的で用いられている。俗に「キャラジェネ」とも。

◆キャリア
carrier / carrier wave
「搬送波」ともいう。電波で情報を伝送するには、金属ケーブルや光ケーブルの有線媒体と同様、キャリアに変調を加えて信号を送信し(CWは搬送波を断続)、受信側はこの信号を復調(検波)して元の情報になおす方法が採用されている。情報を含む電気信号を送信するには信号をキャリアに乗せる必要がある。信号に応じてキャリアを変化させることを「変調」(モジュレーション)という。キャリアと信号の関係を430MHz帯の通信で見ると、キャリアは430MHz帯の電波で、このキャリアに対して変調をかける信号はハムがマイクを通じて話す声に当たる。可聴周波数は20Hz〜10kHzなので、430MHz帯の高周波は聞こない。すなわち430MHz帯の周波数に20Hz〜10kHzの周波数を混ぜて伝送することにある。この場合、430MHz帯の電波がキャリアで、20Hz〜10kHzの周波数の信号が音声情報ということになる。
なお、第一種電気通信事業者などの回線と通信設備を自社で保有して公衆電気通信サービスを営む企業も「キャリア」と呼ばれている。また電話などの公衆通信サービスを一括しておこなう一般通信事業者や公衆電気通信事業者は「コモンキャリア」と呼ばれている。

◆キャリア・ポイント
carrier point
SSBにおける搬送波(キャリア)の周波数。

◆キャリブレーション
calibrator
測定器や計器、通信機などの目盛りのずれや精度を標準器と比較して「較正」すること。俗に「キャリブレ」とも。

◆給電
power supply / power feed
電力や電波のエネルギーを供給すること。アンテナの素子(エレメント)に電波のエネルギーを供給する部位を「給電点」(feed point)という。名詞で「パワー・サプライ」(power supply)というと「電源装置」を示すことが多い。

給電点

◆給電線
feeder / antenna cable
アンテナの給電点と送受信機を結ぶ同軸ケーブルやワイヤー、平行フィーダを給電線という。平衡型と不平衡型があり、平衡型に平行フィーダ、ハシゴフィーダなどがある。不平衡型に同軸ケーブルなどがある。

◆キュービカル・クワッド
cubical quad antenna
キュービカル・クワッド・アンテナのこと。四角形のループ・エレメントを複数段持つビーム・アンテナ。パイプを用いなくても太めのワイヤーで製作できることからHF帯の自作アンテナとして人気がある。CQと略す。

◆共振
resonance
主に電気振動の共鳴を共振という。発振や同調に用いられる。

◆共振回路
resonance circuit
電気振動を共振させる回路。コイル(インダクタ/インダクタンス)とコンデンサ(キャパシタ/キャパシタンス)で作るのが一般的。コイルの記号Lと、コンデンサの記号CをとってLC回路とも。「タンク回路」と呼ぶこともある。

◆狭帯域
narrow band
「ナローバンド」とも。帯域幅が狭いこと。電波などの占有周波数帯域が狭いこと。「ブロードバンド」の対語。ADSLや光インターネットなどの高速接続に対して、ナローバンドは一般の電話回線で接続したインターネット環境。

◆協定世界時
Coordinated Universal Time
世界標準時である「UTC」の日本語訳。かつては英国ロンドン郊外の旧グリニッジ天文台を通る子午線上の平均太陽時である「グリニッジ標準時」(GMT:Greenwich Mean Time)が世界標準時として使われていたが、1974年以降は UTC が標準。UTCとGMTの時刻は同じである。

◆強電
high voltage current
(電子工学)に対して電気工学に関わること。対語は「弱電」。弱電が電圧の低い半導体や無線機器に関するのに対して、強電は主として電源などの電圧が高い分野に関すること。扱う電圧が50Vを超せば低電圧だから強電、といった分類をしている企業もある。しかし真空管から半導体に移行した関係で、低電圧の定義も揺らいでおり、触れると感電するのが強電、といった定義もある。

◆局免許
station license
従事者免許とは別に、開局に必要な「無線局免許」。技術基準を満たす無線設備に与えられる。総務大臣または各地方の総合通信局長が交付する。「局免」と略すこともある。「従事者免許」を参照。

◆キロ
kilo
1,000倍の単位表現。周波数の場合、キロの略号は「kHz」と小文字で表すのが慣習になっている。

◆キロバイト
kilo
1,000倍の単位。キロの略号はK。

◆キロバイト
kilo byte
1キロバイト(KB)は1、024バイト(2の10乗バイト)。コンピュータのメモリー容量の単位は2の累乗で計算するため端数が出る。

◆キロヘルツ
kilohertz
記号は「kHz」。電磁波や振動や音波などの周波数の単位。1秒間に1,000回振動する波動は、1kHzの波動速度または1kHzの周波数と表現される。1,000倍するたびにMHz、GHzなどと表現する。なお伝統的にキロヘルツ(kHz)のkは小文字で表記されている。MHz、GHzのM、Gは大文字で表記する。

◆キング・オブ・ホビー
king of hobbies
「趣味の王様」「最高の趣味」という意味。アマチュア無線という趣味はキング・オブ・ホビーであるとよく言われる。



◆空中線
antenna
アンテナのこと。アンテナを参照。

◆空中線電力
antenna power
アンテナから発射される電波の電力。

◆空電
static / atmospherics / strays
雷放電などの自然現象で生ずる電磁波。周波数は10キロヘルツ前後で,ラジオ受信などのノイズとなる。方向探知機で空電発生源としての台風やハリケーンなどを探知できる。

◆グラウンド・ウェーブ
ground wave
「地表波」のこと。「宇宙通信」を参照のこと。

◆グラウンドプレーン・アンテナ
ground plane antenna
アース(グラウンド)の代わりにラジアル(地線)を根元などに何本か取り付けている無指向性のバーチカルアンテナ。

◆グラスアーム
glass arm
手崩れ。主に筋肉の痙攣により腕や手を動かす打鍵のバランスが崩れてモールス信号を送れなくなる状態。手崩れを防ぐため、130年もの歳月をかけて日米欧などの電鍵デザイナーたちが研究と改良を進めてきた。また通信技士の訓練法も改良が重ねられた。

◆クラブ局
club station
個人ではなく、特定の地域や団体・会社や高校・大学に所属するアマチュア無線家たちが結束して作るアマチュア無線局。日本では「社団局」ともいい、主にYかZで始まるコールサイン(クラブ・コール)が割り当てられる。「記念局」を参照のこと。

◆クラリファイヤ
clarifier
「クラリファイア」とも。電話通信のSSBを受信しているとき、受信周波数が同調点から少しずれただけで音声が「もがもが」と歪んで聴き取りにくくなるが、メインダイヤルで受信周波数を合わせると送信周波数も変わってしまう。このため受信周波数だけを微調整できるクラリファイヤ回路と直結したクラリファイヤのツマミで微調整して音声の明瞭さを得る。伝統的に八重洲無線が「クラリファイヤ」と呼んできたが、ケンウッドとアイコムはRIT(Receiving Incremental Tuning :リット)と呼ぶ。ケンウッド機とアイコム機ではRITのツマミを回して受信周波数を微調整する。同様に送信周波数回路を微調整する回路はXIT(Transmission Incremental Tuning)と呼ばれている。

◆クランクアップ・タワー
crank-up tower / tilt-over tower / telescopic tower
アンテナを高く建てるためのタワーを2段以上の多段構造としたもの。頂部にアンテナを設置するときは低い高さで作業ができ、また台風などの強風が予想されるときは手動か電動でアンテナ高を下げることができるのがメリット。

◆グランドプレーン・アンテナ
ground plane antenna
「グラウンドプレーン・アンテナ」を参照。

◆クリスタル
crystal
「水晶」または「水晶発振子」。Xtalと略すこともある。

◆クリスタル・フィルタ
crystal filter
「水晶フィルタ」。特定の周波数帯だけをとり出すために用いられているフィルタに、セラミック・フィルタと水晶フィルタ(クリスタル・フィルタ)があり、クリスタル・フィルタはシャープな狭帯域のフィルタを実現する。

◆クリック
click
「カチッ」「カリッ」という音。パソコンのツールであるマウスで、OS上の特定のアイコンなどを対象にマウスボタンを瞬間的に押して離す動作。

◆グリッド
grid locater
碁盤目状に区切られた区画。真空管の陽極と陰極の間の格子状の電極。

◆グリッド・スクエア
grid square
グリッド・ロケーターの基礎となる
世界を碁盤目状に区切った区画。このサイトで緯度と経度からグリッド・スクエアを求めることができる。たとえば新潟県新潟市の「38°0' 0'' N, 139°0' 7'' E」(北緯38°0' 0''/東経139°0' 7'')は「CM08la」である。

◆グリッド・ロケーター
grid locator
世界中のアマチュア無線局が用いている無線局の位置(シャックや運用場所)を表す方法。GLと略す。ARRLのグリッド・ロケーター解説。最大6ケタの文字列(英数字)で緯度・経度などを表す。経度は西経180度、緯度は南緯90度を基準としている。1文字目は西経180度から20度ずつ東へ区切ってA〜Rを割り当てている。2文字目は南緯90度から10度ずつ北へ区切ってA〜Rを割り当てている。3文字目は経度を2度ずつ東へ区切って0〜9を割り当てている。4文字目は緯度を1度ずつ北へ区切って0〜9を割り当てている。5文字目は経度を5分ずつ東へ区切ってA〜Xの24文字を割り当てている。6文字目は緯度を2.5分ずつ北へ区切ってA〜Xを割り当てている。
東経と北緯のグリッド・ロケーターを求める式は:
@……((東経の度+東経の分÷60+東経の秒÷3600)+180)/20
A……((北緯の度+北緯の分÷60+北緯の秒÷3600)+90)/10

1文字目……@の整数部分が0ならA、1ならB……。
2文字目……Aの整数部分が0ならA、1ならB……。
3文字目……@の小数点以下の1桁目がそのまま3文字目……。
4文字目……Aの小数点以下1桁目がそのまま4文字目……。
5文字目……@の小数点以下2桁以降をとり出して先頭の数字を1の位に置き、2.4を乗じてその整数部分を1文字目と同様にアルファベットを割り当てる。
6文字目……Aを5文字目と同様にアルファベットを割り当てる。

◆クロス・バンド
cross band
送信の周波数帯と受信の周波数帯を別にして送受信する交信のこと。たとえばX局がY局と交信するとき、X局は受信を144MHz帯に、送信を430MHz帯にする。Y局は受信を430MHz帯、送信を144MHz帯にする。これにより同時双方向交信が実現する。衛星通信のリピータもクロス・バンドで中継している。一方、パイルアップが起きているとき、珍局が出ている受信周波数と、自局の送信の周波数を僅かにずらすことを「スプリット」という。

◆クロス・モード
cross mode
送信の電波型式(モード)と受信の電波型式を別にして送受信する交信のこと。たとえばCWとSSBで交信するなど。DXCCやWPXなどのアワードをSSBのフォーンモードで申請する際に、QSLカードに「2x SSB」または「Two-way SSB」と記載されていないと、CWなどとのクロスモード交信とみなされて失格になることがある。

◆クロス・モジュレーション
cross modulation
「混変調」。隣接している周波数の信号で変調されて受信が困難になること。高周波回路などで目的の信号が妨害信号で変調されて混信すること。

◆クロス八木アンテナ
cross Yagi antenna
水平の素子(エレメント)と垂直の素子を組み合わせて十字架状にした八木アンテナ。アンテナには水平のものと垂直のものとがあるが、その両方か、いずれでもないアンテナで送信される電波に対して送受信効率を高めるのに用いる。衛星通信などで有効である。



◆ゲート
gate
トランジスタなどの内部にあって、電流(デジタル信号)の入口に当たる部分。建物の門のように信号を迎え入れ、送り出すところからゲートの名がある。

◆ゲイン
gain
「利得」。電気回路やアンテナにおける入力と出力の比。電圧のゲインか電流のゲインかによって「電圧利得」「電流利得」と呼ぶ。単に「ゲイン」「利得」と言うと電力の利得を意味することが多い。一般的にdB(デシベル)を単位として用いる。

◆月面反射通信
Earth-Moon-Earth / EME
「EME」と略す。月面を鏡のような反射体に見立てて地球から月へ電波を飛ばし、反射した電波を地球上で受信して交信する手法が「月面反射通信」である。月へ向けて地上から発射した電波が交信相手に届き、応答が戻るまでに5秒を要する。月から反射してきた電波強度は送信電波強度の1兆分の1のさらに1兆分の1以下であるという。2007年3月24日・25日の両日、閉所したばかりのKDDI茨城衛星通信センターで特別局「8N1EME」が
月面反射通信実験「ビッグ・ディッシュ・プロジェクト」をおこなって成功した。有名な非営利科学団体「SETI」(Search for Extraterrestrial Intelligence:地球外知的生物探査計画)ではSETI League EME (Moonbounce) Station(SETI 月面反射通信局)を開設し、月面反射通信に関する最新情報をインターネット上に公開している。アマチュア無線における月面反射通信は、日本のアマチュアバンドとしては50MHz(50.00MHz-50.10MHz)、144MHz(144.00MHz-144.02MHz)、430MHz(431.90MHz-432.10MHz)、1200MHz(1295.80MHz-1296.20MHz)、2400MHz(2424.00MHz-2424.50MHz)の各バンドでおこなわれている。米国など諸外国のアマチュアバンドでは周波数帯がやや異なる。なおSETI(地球外知的生物探査計画)リーグはW2ETIというコールサインのアマチュア無線局を立ち上げて月面反射通信などの活動をしている。

1296.000MHzで月面反射ビーコンを受信しているアンテナ  ©W2ETI

◆ケミカル・コンデンサ
electrolytic chemical capacitor / chemical capacitor / electrolytic condenser
「電解コンデンサ」のこと。俗に「ケミコン」。英語圏の人に「コンデンサ」と言うと「熱交換器」と誤解されやすいので、「エレクトロリティック・キャパシター」か「ケミカル・キャパシター」と表現すること。電解コンデンサ/ケミカル・コンデンサは、アルミニウムなどの金属を陽極に、電気分解で生成した酸化被膜を誘電体に、電解質を陰極としたコンデンサ。液体状の電解液を用いる湿式(wet electrolytic capacitor)と、固体状の電解質を使うタイプとがある。小型で非常に大きな容量(0.1μF〜10万μF)が実現することが最大の長所である。「μF」は「マイクロファラッド」と読み、100万分の1ファラッドに相当する。

◆ゲルマニウム
germanium
元素のひとつで、シリコンと並び半導体(semiconductor)の素材として用いられてきた。元素記号はGe。ガリウムかヒ素を微量だけ加えるとp型かn型の半導体になる。半導体とは順方向からは僅かな電圧を加えるだけで電流が流れるが、逆方向からは流れない(流れにくい)性質を持つ電子回路素子のこと。

◆検波
detect / wave detect / detection
変調と逆の処理をおこなって変調信号から元の信号を取り出すこと。変調と逆なので「復調」ともいう。検波をおこなうデバイスを検波器(detector)という。



◆コールエリア
callsign area
「コールサイン・エリア」のつづめ読み。アマチュア無線のコールサインの場合、プリフィックスと数字(1〜φ)でエリア(地域)を特定できる。

◆コールサイン
callsign
無線通信における無線局の「呼び出し符号」。アマチュア無線の場合も、ユニーク(世界唯一)なコールサインが各局に与えられている。これはITU(国際電気通信連合)が世界のコールサインを割り当てているためである。コールサインは一般に(1)プリフィックス(prefix:接頭辞)(2)数字(3)サフィックス(suffix:接尾辞)が組み合わされる。コールサインでたとえば[JAφBCH]の「JA」はプリフィックス、数字の「φ」(ゼロ)はエリアコード、そして「BCH」がサフィックスである。(1)プリフィックスは1〜2文字の英数字(3)サフィックスはQAA-QZZ以外の英字である。QAA-QZZを使えない理由はQ符号と混同されるからである。世界中でほとんどのコールサインのプリフィックスは慣習的に2文字以内だが、3文字を使っても有効である(たとえばアメリカならWAでもWAAでもかまわない)。以上のコールサインのルールに従わない例外が稀にある。
世界のコールサインの割り当て状況

◆コール・チャンネル
call channel
「呼び出し周波数」。144/430MHzのFMモード電話交信ではチャンネルの有効活用を図るため、コール・チャンネルを取り決めている。144MHzでは145.00MHz、430MHzでは433.00MHzである。マナーとして、コール・チャンネルでCQなどの呼び出しをして、相手が見つかればサブ・チャンネルで交信をする。日本ではメイン・チャンネル(俗にメンチャン)とも。

◆コア
core
同軸ケーブルや光ファイバーなどのケーブルの「芯」。

◆コイル
coil
古くは電気用語で「線輪」「捲線」と呼ばれた電線の輪。高周波用のコイルは合成樹脂の筒などに巻かれるか空芯、低周波用のコイルは鉄芯に巻かれるのが一般的である。輪は螺旋状に巻かれる。1831年にファラデーが発見した電磁誘導の法則により、コイルに電流が流れると磁場(magnetic field:磁界とも)が発生し、逆に磁場が変化すると電流が流れる。コイルは発振回路や変圧トランスなどのインダクタンスを持つ回路素子や磁場の発生に用いられている。コイルの自己インダクタンスの記号はL。コイルのインピーダンスの記号はZ。インダクタンス、共振回路を参照。

◆高域通過濾波器
High Pass Filter / HPF
「ハイパス・フィルタ」ともいう、略号は「HPF」。電気信号の周波数成分の中から特定の周波数よりも高い周波数だけを通過させるフィルタ回路。それよりも低い周波数の信号はほとんど通さない。

◆高周波
radio frequency / high frequency
場面によって「RF」または「HF」と略す。例外はあるが、一般に可聴周波数(20Hz〜20,000Hz)以上の電波を高周波という。特定の周波数の電波を分類する場合はHF帯の波長100m〜10m、3MHz〜30MHzの電波を高周波という。対語は「低周波」。

◆交信
conversation
英語圏では「交信」を「conversation」という。

◆較正
marker oscillator
メーター類の狂いや精度を標準器と比較して正確に調整すること。受信機のダイヤル較正は、基準の周波数を発信する「マーカー発信器」を用いるが、これを内蔵している通信型受信機も市販されている。

◆高速CW通信
High Speed-CW / HS-CW
モールス符号を超高速で送受信する通信方式。コンピュータを用いてマイクジャックから2kHzのトーンを送り込んでSSBモードで送信する。普通のCW交信のスピードは15WPM程度だが、HS-CWモードでは800WPM、超高速HS-CWでは1,200WPM/1,600WPMである。受信後の解読はコンピュータを用いる。これは人間がリアルタイムで解読できるスピードではないため(ジェット戦闘機が通り過ぎるような音である)。サウンド機能を応用したソフトウェアを使ってCWのスピードを人間が解読できるスピードに落とすか、短点と長点をモニタ画面に表示して解読する。Windowsに標準添付されているアクセサリソフトのサウンドレコーダーの「速度を下げる」(スロー再生機能)を使って解読している愛好家もいる。日本では一部の愛好家たちが144MHzと50MHzでHS-CWモードによる通信がおこなっている。欧米では1980年ごろから愛好家が現れ、現在では主に144MHz(144.100MHz ± 2kHz)でHS-CWモードによる流星散乱通信(MS:Meteor Scatter communication)を楽しんでいる。いずれも、必ずしも流星群の出現を待たずにHS-CWモードによるDX通信をしているのが現状。欧米では交信グリッドの数を競うグリッド・ハンティングや、HS-CWのコンテストが盛んである。KM5PO(以前はKD5BUR)の「流星散乱を経由する高速CW通信」(High Speed C.W. via Meteor Scatter)にHS-CWの知識が掲載されている。

◆広帯域
broad band
「ブロードバンド」とも。帯域幅が広いこと。ADSLや光インターネットなどの高速接続のブロードバンドに対して、ナローバンドは一般の電話回線で接続したインターネット環境。対語は「ナローバンド」(narrow band)。

◆高周波
high frequency / high frequency wave
高い周波数の総称。可聴周波数(20Hz〜20k)よりも高い周波数帯、または3MHz〜30MHz帯の周波数帯と定義されている。無線周波数(RF:radio frequency)も高周波の一種である。

◆高速走査テレビジョン
Fast Scan Television
「FSTV」と略す。テレビ放送と同様の規格で映像を送受信するアマチュア・テレビジョンの技術型式。1秒間に30コマの画像をやりとりする。周波数を広く占有するため、1992年以降は帯域幅が広い1200MHz以上のUHF帯でおこなわれるようになった。米国など海外のATV団体。ATVは、低速走査高速走査テレビジョンのSSTV(スロー・スキャン・テレビジョン)とは規格が異なる。

◆高調波
harmonics
周波数が基本波の整数倍である正弦波のこと。高調波成分(harmonic component)を多く含む電波は、本来の運用周波数帯以外の周波数帯に対する妨害電波になり得る。「ハーモニクス」とも。

◆国際アマチュア無線連合
International Amateur Radio Union
略称は IARU 。世界各国のアマチュア無線家とアマチュア無線機関で組織されている国際団体。1925年4月18日にフランスのパリ大学で開かれた結成総会で設立された。4月18日の日は、2005年に結成80周年を記念して「世界アマチュア無線の日」とされた。なお、戦後の日本にアマチュア無線が復活した事を祝う「アマチュア無線の日」は毎年7月29日である(制定は1973年)。

◆国際電気通信連合
International Telecommunication Union
略称は ITU 。国連(国際連合)の専門機関のひとつ。ITU本部はスイスのジュネーブにある。無線通信、そしてインターネットなどの電気通信分野の発展のため、世界各国の間の利害を調整しながら各種通信技術の公的標準や通信における規則の制定を目的としている。無線周波数帯の割り当てやプロトコルの制定もそのひとつである。ITUは「Sector」(部門)と呼ばれる部局を持つ。それはITU-R(無線通信部門)、ITU-T(電気通信標準化部門)、ITU-D(電気通信開発部門)である。世界各国の業界団体やメーカーが、それぞれの政府と組んでITUに政治的圧力を加えるため、公的標準の制定や無線周波数帯の割り当ては困難を極めることが多い。

◆極超短波
ultrahigh frequency
「UHF」と略す。波長1m〜10cm、300MHz〜3GHzの電波帯。指向性が強いため電波の到達距離・サービスエリアは短い(狭い)が、多くの局が多くのチャンネルを使うことができる。「マイクロ波」と呼ばれる周波数帯のひとつ。13ch〜62chのUHFテレビ放送、、携帯電話、PHS、業務用移動通信、GPS、ISMバンドなどのほか、430MHz帯や1200MHz帯などアマチュア無線にも利用されている。

◆個人コール
private callsign
個人に割り当てられるコールサイン。対語は「クラブ・コール」。「クラブ局」を参照。

◆固定運用
operate at the location of radio station / operate at fixed location
アマチュア無線では、建物の中のシャックで交信することを固定運用という。対語はモービルなどの「移動運用」(陸海空)。移動運用を参照。

◆コピー
copy
通信では日英ともに「了解した」という意味で用いられている言葉。モールス符号による電信では「コピーした」をR(・−・)と打電する。

◆コマーシャル
commercial
日本のアマチュア無線では「職業」「仕事」「会社」の意味で用いられている俗語。英語で「commercial Ham」と言うと無線機器メーカーなどの「アマチュア無線業界」の意味である。コマーシャル局というと放送局の意味。英語で「commercial station」というと、ラジオやテレビの商業放送局を意味する。

◆コリンズ
Collins / Rockwell Collins / Rockwell International
米国の有名なアマチュア無線機器ブランド。往年の名機としてコリンズの送信機や受信機を今でも使っているハムもいる。コリンズの歴史は戦前にさかのぼる。1933年、アイオワ州でアーサー・コリンズ氏(Arthur Collins)が1933年に創業したのが Collins Radio Company 社だった。当時、最先端で最高水準の短波無線機器(short wave radio equipment)を製造することで知られるようになった。創業直後の1933年、南極探検に成功したアメリカ人のリチャード・バード提督(Richard Evelyn Byrd)がコリンズの無線機を用いて通信したことで一躍、世界的に名を知られるようになる。1960年代から1970年代にはアポロ計画など宇宙飛行船に搭載する無線機器にもコリンズの製品が採用された。この間、アマチュア無線機器も製造して多くのハムを魅了した。1973年、 Collins Radio Company 社は財政的に行き詰まった結果、 同じアイオワ州の米国ロックウェル社(Rocwell International)に買収され、現在に至っている。コリンズはアマチュア無線機器の象徴になっていて、コリンズを熱狂的に愛した人を英語圏では「Collins man」「Collins lover」などと言う。コリンズのバーチャル博物館(W5AM)がインターネット上で公開されている。


 ©Rockwell International

◆コレクター
collector
収集家。電鍵コレクターはtelegraph key collectorという。電子か正孔を集めるトランジスタの電極もコレクターという。

◆混信
jamming / interference / crosstalk
通信や放送で他の電波が混じること。ジャミング(jamming)とインターフィアランス(interference)には妨害というニュアンスがある。

◆コンダクタ
conductor
「導体」「伝導体」「導線」などの総称。

◆コンダクタンス
conductance
導体における電流の流れやすさを表す量。直流回路では抵抗の逆数であり、交流回路ではインピーダンスの逆数である。

◆コンタクト
contact
無線通信などの「交信」。電鍵などの「接点」。電流の「接触」。

◆コンチキ号
Kon Tiki
ノルウェーの人類学者で探検家のヘイエルダールが、いかだの「コンチキ号」(コールサインはLI2B)で漂流航海を決行。太平洋を101日間漂流したが、この航海には5人のクルーが同乗し、その中にノルウェー人のクヌート(Knut Haugland:LA3KY)とトルステイン(Torstein Raaby)の二人の無線家がいた。漂流中の101日間、太平洋の気象データと海洋学のデータをアマチュア無線で世界中のハムを通じてアメリカに送信した。スケジュール交信の相手を引き受けたのは、W1AWをはじめとするアメリカ局だった。本書の「世界の著名なアマチュア無線家たち」の項を参照。

探検家のヘイエルダール

◆コンディション
condition
電波の伝播状態(Propagation Conditions)。電信では CONDX と略す。「2007年9月25日午前8時(世界時間)現在のHF帯の伝播状態」を「Global HF Propagation Conditions for 0800Z on 25 Sep, 2007」と表現する。「高緯度ではかなり良いか普通」は「Hi Latitude: Fair-Normal」と表現する。

◆コンテスト
contest
アマチュア無線家同士の親交や運用テクニックの向上などを目的とする交信競技。あらかじめ決められたルール(開始日時・終了日時、周波数帯など)のもとに交信数などのポイントを競う。電話交信では「CQ コンテスト」と言うが、電信では「CQ TEST」と打電する。コンテスト中に交信した記録をコンテスト・ログ(contest log)という。

◆コンデンサ
condenser / capacitor
日本語の定訳は「蓄電器」。英語圏の人に「コンデンサ」と言うと「熱交換器」と誤解されやすいので、「キャパシター」と表現すること。コンデンサ/キャパシターは電極と電極の間に誘電体をはさんで静電容量を持たせた回路素子。とも。単位はファラッド、記号はF。「キャパシタンス」を参照。

◆コンデンサ・マイク
condenser microphone
コンデンサの仕組みを応用して振動膜と電極を採用した静電型のマイク。ムービング・コイル型のマイクに比べて音質がクリアなことで定評がある。出力が小さいのでマイクアンプを使用することもある。

◆コントロール・オペレータ
Control operator
アマチュア無線局免許の代表者から指名された運用従事責任者。コントロール・オペレータが運用をおこなう場所を「コントロール・ポイント」という。

◆コンバータ
converter
変換器や変換回路の総称。交流を直流にしたり直流を交流にしたり、周波数を変えたり、アナログ信号とデジタル信号の間で相互に変換(A/D変換、D/A変換)したりするデバイス。

◆コンファーム
confirm
「確認する」「確認した」という意味だが、アマチュア無線ではQSLカードの交換などを「了解した」ことを示す言葉。電信では cfm と略す。

◆コンプレッサ
compressor
「圧縮装置」。アマチュア無線で言うコンプレッサは「オーディオ・コンプレッサ」「スピーチ・プロセッサ」「マイク・コンプレッサ」を指す。電話交信のためのSSB送信で、マイクから入る音声信号が強すぎると音声と電波が歪むので、これを圧縮して音量を下げる。またマイクから入る音声信号が弱すぎると交信相手が聴き取りにくいので音量を上げる。

◆混変調
cross modulation
隣接している周波数の信号で変調されて受信が困難になること。高周波回路などで目的の信号が妨害信号で変調されて混信すること。「クロス・モジュレーション」ともいう。


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