お
◆オーエム
old man
アマチュア無線仲間の先輩男性に用いる敬称。JAコールの局長さんなどベテランのハムに対して特に用いることが多い。「OM」と記す。
◆オーディオ・プロセッサ
audio processor
SSBの送信時、マイクからの音声入力が弱すぎたり強すぎたりしないよう、一定に保つためのデバイス。SSB対応の送信機やトランシーバの多くにオーディオ・プロセッサが搭載されており、ボタンを押してON/OFFしたり、ツマミを回してレベル調整したりすることができる。
◆オーバー
over
電話形式の交信の最後に言う「どうぞ」「お返しします」と同じ。原意は英語の「終わった」(over)。
◆オーバーシー
oversea / overseas
「海外の」または「海外」。日本では「海外局」の意味で用いられることもある。
◆オーバートーン発信器
overtone oscillator
それぞれの水晶発振子(クリスタル)には固有の基本発信周波数があるが、その高次(3倍、5倍、7倍など)の振動モードで発振させるためのデバイス。一方、「オーバートーン水晶発振子」は高次の振動モードで発振するよう設計された水晶発振子のこと。
◆オーバーパワー
operating with illegal power
無線局免許で許可された空中線電力を超える高出力の電波を出すこと。
◆オーバーモジ
overmodulation / modulated too much / too much modulation
過変調(overmodulation)のつづめ言葉。送信時、マイクの音量が大きすぎたりして発射電波の質が悪くなること。過変調された電波は音質が歪むだけでなく、スプラッター(splatter)が発生して送信周波数の上下の数10kHzにわたって妨害電波を発射する結果となる。
◆オービット
orbit
天体や人工衛星などの「軌道」。「人工衛星軌道」(orbit of artificial satellite)。
©NASA
◆オーム
ohm
電気抵抗の単位。記号は「Ω」。
◆オールバンド
all band
アマチュア無線の全ての周波数帯。HFトランシーバで「オールバンド」というと、一般に1.8MHz帯〜29MHz帯を網羅していることをいう。
◆オールモード
all mode
アマチュア無線に許可されている全ての電波型式。CW, AM, SSB, FM, RTTY (FSK/AFSK), SSTV, ATVなど。HFトランシーバで「オールモード」というと、一般にCW, AM, SSB, FM, RTTY (FSK/AFSK)を網羅していることをいう。
◆往復電鍵
paddle
横振れ電鍵の別名。
K8RA P-2
◆欧文
Western language
英語を含むヨーロッパ語の文章、またはその文字(欧字)、またはローマ字。対語は「邦文」。
◆欧文通話表
phonetic code / phonetic alphabet
「フォネティック・コード」のこと。「フォネティック・アルファベット」ともいう。音声通信でアルファベットと数字の正確さを保つために定められた発音のリスト。「A, Alfa」「B, Bravo」など。国際電気通信連合(ITU)で締結された国際電気通信条約で定められている。具体的な内容は本書の[国際フォネティック・コード]を参照のこと。日本で使われている日本語の通話表は「和文通話表」という。
◆オケラネット
Okeranet
単独世界一周レースに挑戦した海洋冒険家、多田雄幸の愛艇「オケラ」を支援しようと発足したアマチュア無線ネットワークが母体となって誕生した海上移動局支援のセイフティ・ネットワーク。ネット交信は原則として毎日 12:20〜13:00JST(21.437MHzのUSB)。
◆お声がけ
call
CQを出している局か、第三者とQSOが終わった局など特定の局を呼び出すこと。ハム的な表現。なお call は米国では「呼び出す」という意味もあるが、一般の会話で「I called you yesterday.」というと「きのう、あなたに電話しました」)という意味で使われることが多い。
◆オシレーター
oscillator
高周波発信器や水晶発振器など「発信器」の総称。
◆オシロスコープ
oscilloscope
電流・電圧などが大きく変化する信号波形をモニター画面上に表示して観察・測定する装置。水平軸に時間軸をとり、垂直軸に入力の波形の振幅に比例した量を表示する。
◆オスカー
Oscar
オスカーは世界と日本のアマチュア衛星を象徴する言葉である。
1961年12月12日(米国時間)、米国西海岸のグループ「プロジェクト・オスカー」(Project OSCAR)が打ち上げた初のアマチュア衛星が「オスカー」(OSCAR-1)だった。これを契機に、1969年、米国の首都ワシントンDCで教育団体としてAMSAT(アマチュア衛星通信協会)が発足した。AMSATの尽力により、1983年6月16日(現地時間)にはAMSAT-OSCAR 10 (AO-10)が仏領ギアナのクール(Kourou)基地からアリアン・ロケット 1-06(ARIANE 1-06)で打ち上げられた。ところが衛星がロケットの三段目を切り離した後、ロケットの推力が設計通り低下しなかったため追突された。この結果、AO-10は高度3,997km〜35,449kmの楕円軌道衛星になってしまった。これに伴いバンアレン帯(放射線帯)を通る時間が長くなり、半導体チップの損傷が設計より速く進んだ。現在はほとんど機能していない。AO-10の送信は435MHz帯、受信は145MHz帯であった。続いてAMSAT-OSCAR 13(AO-13)が1988年6月15日(現地時間)、仏領ギアナのクール(Kourou)基地からアリアン・ロケット 4(ARIANE-4)で打ち上げられた。打ち上げは成功し、1ヵ月以内に二回にわたる軌道修正にも成功した。これによりAO-13は自力で計画通りの軌道に乗ることに成功した初のアマチュア衛星になった。1988年7月22日以降はBモードを皮切りに、順次、運用が始まった(RUDAKを除く)。1990年になると軌道がずれ始め、1996年12月5日、大気圏へ再突入した。2007年10月現在、オスカーの連番は50を数えている(SaudiSat-OSCAR-50<SAUDISAT-1C>)。
一方、国産初のアマチュア衛星はFuji-Oscar 12(FO-12)である。JARLが旧・宇宙開発事業団(NASDA)の「H1ロケット」により1986年8月13日に種子島宇宙センターから打ち上げた。「ふじ」(Fuji)とも呼ばれている。これに搭載されたデジタル系とアナログ系のトランスポンダーを設計・製作は日本アマチュア衛星通信協会(JAMSAT)が担当した。FO-12は1989年11月に運用を終えた。なお、FO-12の開発時のコード名は「JAS-1」(Japan Amateur Satellite-one)だった。Fuji-Oscar 12(FO-12)に続くJARLの2号機はFuji-Oscar 20(FO-20)である。JARLが1990年2月7日に打ち上げた。「ふじ2号」(Fuji 2)とも呼ばれている。上りは145MHz帯、下りは430MHz帯を用いている。その後、アナログ系のJAモードのトランスポンダーは運用可能だが、CWビーコンの発射が不安定になった。なお、FO-20の開発時のコード名は「JAS-1b」(Japan Amateur Satellite-one b)だった。
1974年4月号のQST誌に掲載されたオスカー
◆オナー・ロール
Honor Roll / DXCCHR / WPX Honor Roll
「栄誉名簿」のこと。「HR」と略すこともある。アマチュア無線界でオナー・ロールと言えば、事実上、DXCCオナー・ロール(DXCC名誉会員またはその名簿)を指す。ARRLが規定するDXCCリスト(DX Century Club list)の現存するエンティティのうち、未交信のエンティティが一桁(つまり9エンティティ以下)になると、その栄誉を讃えてオナー・ロール入りする資格を得る。2007年10月現在、現存するエンティティは337なので、328エンティティ以上の交信証明が必要だということになる。いかにオナー・ロール入りが困難かを物語る。DXCCのオナー・ロールを「DXCCHR」と略すこともある。
米国CQマガジン誌(CQコミュニケーションズ社)が発行するアワードのWPX(Worked Prefix Award)も、世界の600プリフィックス以上のアマチュア無線局と交信することで「WPX Honor Roll」というオナー・ロールの資格を得ることができる。オナー・ロールの認定書は発行されないが、米国CQマガジン誌に隔月でオナー・ロール名簿が掲載される。WPX(Worked Prefix Award)そのものの要件は、HF帯(160〜10m)において[CWとSSBのミックスで400プリフィックス以上]、[CWオンリーで300プリフィックス以上]、[Two-way SSBで300プリフィックス以上](Two-way SSBとは双方とも SSB モードで交信すること)となっている。
DXCC名誉会員リスト(2007年9月23日現在)
© ARRL
◆オプション
option
標準装備品以外のもの。CWの受信性能を高める狭帯域フィルタ、アンテナとリグとの整合性を高めるアンテナ・チューナー、受信性能を向上させるプリアンプなどがある。メーカー純正のものと第三パーティ製のものとがある。リグの内部に内蔵できるものと、外付けするタイプとがある。
◆オフセット周波数
offset frequency
VHF帯などでリピータ経由で交信することがあるが、この際、送信周波数と受信周波数をトランシーバ側で自動的にシフトする(ずらす)。このずらす周波数をオフセット周波数という。
◆オフバンド
outside the band
アマチュア無線に割り当てられている周波数帯をはみ出すこと。日本では無線局運用規則・第八章アマチユア局の運用・(発射の制限等)第二百五十七条に「アマチユア局においては、その発射の占有する周波数帯幅に含まれているいかなるエネルギーの発射も、その局が動作することを許された周波数帯から逸脱してはならない」と規定されている。
◆オフライン
offline / off-line
無線やコンピュータネットワークなどの通信回線がつながっていない状態。対語は「オンライン」。
◆オペアンプ
op amp / operational amplifier
「オペレーショナル・アンプリファイア」の略称。「演算増幅器」が定訳。「OPアンプ」と表記することもある。IC増幅回路や発振回路などとして用いられ、通信機や測定器に利用されている。
◆オペレータ
operator
「技師」「技士」「無線通信士」「電信技士」「無線従事者」などとして広く用いられている言葉。英語圏では無線局(radio station)で運用する人の呼称として operator を多用する。「op」と略すことがあり、「ham op」といえばアマチュア無線家、「YL op」といえば女性アマチュア無線家のこと。
◆オペレート
operate
(無線局の送信機などを)運用すること。
◆オメガ・マッチ
omega match
八木アンテナなどのビームアンテナでしばしば用いられるマッチング(整合)の仕組み。エレメントに平行して取り付けるロッドを固定したまま、ショートバー(shorting strip)をスライドしてマッチングをとる。給電部の配線がΩ(オメガ)型をしていることからこのように呼ばれている。他にガンマ・マッチというマッチングもある。
◆オンエア
on the air
「放送中」「通信中」「送信中」という意味。[ON AIR]ランプが付いている送信機やトランシーバでは送信すると[ON AIR]ランプが点灯する。
◆オンエア・ミーティング
on-air meeting / on the air meeting / meeting on the air
あらかじめ約束し合った日時と周波数で複数の局が参加してQSOすること。「スカイ・ミーティング」とも言う。和製英語なので英語圏の人に「on air meeting」と言うと誤解される可能性がある。
◆オン・ズィ・エア
on the air
「放送中」「通信中」「送信中」という意味。[ON AIR]ランプが付いている送信機やトランシーバでは送信すると[ON AIR]ランプが点灯する。
◆オンライン
online
無線やコンピュータネットワークなどの通信回線がつながっている状態。対語は「オフライン」。
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