さ〜そ

本章の目次

さ    し    す    せ    そ

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さ
◆サーキット
(electric) circuit
電流が流れるように導体をつないだ通路。電気回路。

◆サービス・エリア
service area
一般にはラジオやテレビの電波が届く放送エリア(放送区域)や、高速道路の休憩エリアを指す言葉だが、アマチュア無線では、特定の運用をしている局が交信に応じるエリアのこと。

◆サーミスタ
thermistor
温度の変化で電気抵抗が変化する半導体(抵抗器)。温度を測定するためのセンサーとして用いられている。通信機器では熱に敏感な半導体を安定させるためにサーミスタを用いる。

◆サイクル
cycle
ヘルツ(記号はHz)の旧称。かつては周波数をサイクル(記号はc)と呼んでいた。電波や光、電流などが周期的に振動(波動)する循環過程をサイクルという。「周波数」を参照。

◆最高使用周波数
maximum usable frequency
「MUF」と略す。無線工学用語では、ある特定の距離の2地点間で電離層反射を利用して通信するときに使用できる最高周波数が最高使用周波数。なお、ある特定の距離の2地点間で電離層反射を利用して通信するときに月間平均90%の確率で通信できる周波数をFOT(frequency of optimum transmission / frequency of optimum traffic:最適使用周波数)という。 FOTはMUFよりも予測平均で15%低いと定義されている。他方、地上からの電波が電離層のD層やE層を通過するときは電離層の影響で減衰をするが、周波数が低いほど減衰は激しくなる。こうした減衰に耐えてD層やE層を通過できる最低周波数がLUF(lowest usable frequency:最低使用周波数)である。

◆最低使用周波数
lowest usable frequency
「LUF」と略す。地上からの電波が電離層のD層やE層を通過するときは電離層の影響で減衰するが、周波数が低いほど減衰が激しくなる。こうした減衰に耐えてD層やE層を通過できる最低周波数が最低使用周波数である。他方、MUF(maximum usable frequency:最高使用周波数)とは、ある特定の距離の2地点間で電離層反射を利用して通信するときに使用できる最高周波数のこと。

◆最適使用周波数
frequency of optimum transmission / frequency of optimum traffic
「FOT」と略す。無線工学用語で、ある特定の距離の2地点間で電離層反射を利用して通信するときに月間平均90%の確率で通信できる周波数をFOT(最適使用周波数)という。なお、ある特定の距離の2地点間で電離層反射を利用して通信するときに使用できる最高周波数をMUF(maximum usable frequency:最高使用周波数)という。FOT(最適使用周波数)はMUF(最高周波数)よりも予測平均で15%低いと定義されている。他方、地上からの電波が電離層のD層やE層を通過するときは電離層の影響で減衰をするが、周波数が低いほど減衰は激しくなる。こうした減衰に耐えてD層やE層を通過できる最低周波数をLUF(lowest usable frequency:最低使用周波数)という。

◆サイド
side
日本語では交信中の運用者の近くにいる人のことをサイドという。日本的な表現。

◆サイドトーン
sidetone
モールス符号の練習に用いる低周波発信器の音、またはモールス通信をしているときのモニタ音。この音を発生する装置(または回路)をサイドトーン・ジェネレータ(CW Sidetone Generator)という。

◆サイドバンド
side band
「側波帯」のこと。「SSB」を参照。

◆サイリスタ
thyristor
電流を通すか通さないかをコントロールできる整流素子(半導体の一種)の総称。

◆サイレントキー
silent key
アマチュア無線用語で「他界する」こと。訃報。電鍵が静かになってしまったことを風流に表現する言葉。
ARRLレターではSKと表記している。

◆サウンダー
sounder
「電信音響機」。19世紀の半ばごろから1880年代まで盛んに用いられた有線電信装置のひとつ。モールス信号を音でオペレーターに伝える。

◆サセ
Self-addressed, stamped envelope
自分の氏名・住所を書いて切手を貼った封筒。この封筒を別の封筒に入れて切手を貼って相手に郵送する。略称は SASE 。英語では「セイス」と発音する。日本では「サセ」とローマ字読みする人も多い。

◆雑音
noise
「ノイズ」。不快な音、騒音、異音。目的の信号とは違うじゃまなノイズ。アマチュア無線では、受信機の回路から生じる内部雑音、車のイグニッション・ノイズ、空電などの自然現象を原因とするものがある。S/Nを参照。

◆雑音指数
noise figure
「ノイズ・フィギュア」のこと。「NF」と略す。信号がアンプなどを通過すると信号のS/N比(信号対雑音比)がどれくらい下がるかの指数。NF値が1に近いほどNF値が小さいほどインパルス雑音や熱雑音などのノイズが少ない。

◆差動増幅器
differential amplifier
ふたつの入力電圧の差を増幅する装置、または回路。オペアンプを参照。

◆サフィックス
suffix
「接尾辞」という意味。コールサインでたとえば[JAφBCH]の「JA」はプリフィックス、「BCH」がサフィックスである。コールサインは一般に(1)プリフィックス(prefix:接頭辞)と(2)数字と(3)サフィックス(suffix:接尾辞)が組み合わされる。コールサインでたとえば[JAφBCH]の「JA」はプリフィックス、数字の「φ」(ゼロ)はエリアコード、そして「BCH」がサフィックスである。(1)プリフィックスは1〜2文字の英数字、(3)サフィックスはQAA-QZZ以外の英字である。QAA-QZZを使えない理由はQ符号と混同されるからである。世界中でほとんどのコールサインのプリフィックスは慣習的に2文字以内だが、3文字を使っても有効である(たとえばアメリカならWAでもWAAでもかまわない)。以上のコールサインのルールに従わない例外が稀にある。

◆サブチャンネル
sub channel
144MHz帯や430MHz帯のFMモードで実際の交信に用いられるチャンネル。他方、呼び出し周波数(メイン・チャンネル)では不特定の局や特定の局を呼び出すだけで、実際の交信はおこなわれない。144MHz帯のFMモードの呼び出し周波数は145.00MHz、430帯のFMモードの呼び出し周波数は433.00MHz。俗称「サブチャン」。

◆サマリーシート
summary sheet
コンテストの結果を集計した書類。JARLが主催するコンテストの参加者は、コンテストが終わった後、「JARL制定サマリーシート」に参加部門や交信数などを記入して「ログシート」とともにJARLへ提出する。ARRLが主催するコンテストの参加者は「ARRL制定サマリーシート」(official ARRL summary sheet)に参加部門や交信数などを記入して「ログ」(log)や「添付リスト」(attached list)などとともにJARLへ提出する(コンテストによって異なる)。

◆サムピース
fingerpiece / thumb piece
横振れ電鍵のパドルやバグキーの部品のうち、指で左右に打鍵するためのパーツ。フィンガーピースとも。

◆サンスポット・ナンバー
Sun Spot Number
「太陽黒点数」のこと。太陽黒点とは太陽の光球面で観測される黒い斑点。西洋ではガリレオ・ガリレイ(1564〜1642年)が初めて望遠鏡で発見したという。直径は1万km前後だが、時には10万kmにも及ぶ。諸説あるが、個々の太陽黒点は数時間から数ヵ月で消滅する(大きい黒点ほど長寿命)。高温であることから最大3,000ガウスもの磁場を発生する。太陽活動にはサイクルがあり、太陽黒点数は11年周期(または最短9年、最長14年)で増減し、太陽活動期に太陽黒点数が多い。最近では西暦2000年前後に太陽活動がピークに達したが、2004年の一時期は完全に消滅する日もあった。。太陽黒点数が多い時期は太陽からの紫外線やエックス線や微粒子線の放射が活発なため磁気嵐やオーロラなどの現象が起こりやすくなる。地球の電離層は太陽黒点数に影響を受けやすい。太陽黒点数が増えると、特に6MHzから30MHzあたりの短波帯以下の無線通信で影響を受ける。アマチュア・バンドでは14MHz帯と24MHz帯と28MHzで影響が顕著である。略称は「SSN」。


し
◆シールド
shield
電磁波の回り込みやノイズなどの電気的干渉や妨害から物理的な伝送メディア(ケーブルなど)や電子回路や機器類などのデバイスを守るため、ケーブルやデバイスを金属の網で覆って電磁的・電子的に遮蔽すること。同軸ケーブルやSTPがシールド・ケーブルとして代表的である。大型の通信機器やシステム全体を守るため非常に大きな金属の網で覆うこともあるが、これをシールド・ルームと呼ぶことがある。

◆磁気嵐
magnetic storm
短波帯の電波通信が地球規模で困難になる「デリンジャー現象」(Dellinger effect)を引き起こす現象。原因は、太陽面で突発的に発生する爆発により太陽から荷電粒子が大量に飛び出し、約1億5000万kmを旅して地球の上空に達して電離層を乱すという。この状態は数分から数時間ほど続く。「デリンジャー現象」を参照。

太陽風を伴った「コロナ大量放射」(CME:coronal mass ejection)が地球へと旅をしているイメージ図

 ©SOHO/NASA

◆シグナル
signal
「信号」。「S/N」を参照。

◆シグナル・ストレングス
signal strength
「信号強度」。電信のRST(Readability, Strength, Tone)のS、または電話のRS(Readability, Strength)のS。

◆試験電波
test radio transmission / test signal transmission
テストやチェックや調整のために発射する電波のこと。試験中は「試験電波発射中」「testing transmitter」などと言う人もいる。

◆指向性
directivity / directional / beam directivity
アンテナやスピーカーから出る電波や音波のエネルギーの強さが方角によって異なる性質。またはアンテナやマイクが受ける電波や音波の強さが方角によって異なる性質。対語は「無指向性」。

◆指向性アンテナ
directional antenna
ビームアンテナやパラボラアンテナなどのように指向性を持つアンテナ。送信時は、少ない電力で、より遠くまで電波を飛ばすことができ、不要な方向に電波を飛ばさないメリットがある。受信時は、特定の方向の電波を強くとらえることができ、不要な方向からの混信を受けにくいメリットがある。半面、不特定方向への送信、不特定方向からの受信が難しいというデメリットがある。対語は「無指向性アンテナ」。「F/B」を参照。

◆指向性パターン
radiation pattern / directional pattern / antenna pattern/ far-field pattern
アンテナの指向特性を水平方向または垂直方向の電界強度(field strength)の分布で見たもの。またはその分布を示す幾何学的な分布図。ビーム・アンテナではフロント、両サイド、バックの各方位の電界強度に特徴が現れる。ダイポール・アンテナでは円錐曲線を描く。英語圏では「radiation pattern」と言うのが一般的。

水平分布の指向性パターン

◆私書箱
post-office box
地域の中核郵便局がおこなっている郵便物一時保管箱サービス(郵便受箱)。英語圏では「P.O.Box」と略し「ピーオーボックス」と読む。「P.O.B.」「POB」とも略す。

◆実効放射電力
effective radiated power
「実効輻射電力」ともいう。「ERP」と略す。送信機の出力の電力(パワー)ではなく、実際にアンテナ(一般的にはダイポール・アンテナ)から一定方向へ向けて輻射される電波の電力の強さのこと。送信機の出力から給電線の損失(ロス)を引き、アンテナの利得(ゲイン)を加えたものが実効輻射電力である。通信局、放送局、無線LANなどの送信電波の強さを示す。アイソトロピックアンテナで計測する実効輻射電力はEIRP(Effective Isotropic Radiated Power/ Equivalent Isotropic Radiated Power)と言う。

◆ジッター
jitter
電磁波的・電気的・物理的な変化に伴って信号に発生する不規則なゆらぎ。

◆時定数
time constant
「タイム・コンスタント」のこと。持続する時間の長さの定数。電気回路で、たとえばC(コンデンサ)とR(抵抗器)のCR回路では、時定数はCとRの積(T=C×R)(T=F×Ω)となる。「じていすう」とも「ときていすう」とも。記号は「T」または「τ」(ギリシャ文字)。

◆シフト
shift
「ずらす」「移す」という意味。「5kHz 周波数を上にシフトする」などと用いる。「ドップラー・シフト」(Doppler shift)はドップラー効果により音の高さや周波数がずれること。「キャリア・シフト」(Carrier Shift)はRTTYなどの通信で搬送波(キャリア)の周波数をずらすこと。「IF SHIFT」は中間周波数をシフトさせて混信を除去する機能。

◆シャーシー
chassis
無線機器などのセットを組み立てるための台や金属枠の呼称。「アルミ・シャーシー」はアルミ製の台で、自作派が多かった1960年代まで、むきだしのアルミ・シャーシーの上に真空管やコイルなどの部品を取り付ける工作が世界中のアマチュア無線家の間で流行した。フランス語の「枠組」に由来する。英語圏では「チャスィ」と発音する人もいる。

◆シャープ
sharp
CWフィルタの切れが良いことや、ビーム・アンテナの指向性が鋭いことなどに用いる表現。

◆ジャール
JARL / Japan Amateur Radio League
公益法人「
日本アマチュア無線連盟」の日本読み(俗称)。アマチュア無線と国内外の科学技術・文化の健全な発展に寄与することを目的に、1926年(大正15年)に発足した。太平洋戦争でアマチュア無線は禁止されたが、1952年(昭和27年)に戦後初のアマチュア無線局が誕生した。1959年(昭和34年)に社団法人となる。1991年(平成3年)、日本アマチュア無線振興協会(JARD)を設立、同協会に開局・変更申請の保証認定業務や養成課程業務などが移管された。開局・変更申請の保証業務は2001年(平成13年)4月からTSS社がおこなっている。

◆弱電
weak electric current / weak current
(電気工学)に対して電子工学に関わること。対語は「強電」。強電が主として電源などの電圧が高い分野なのに対して、弱電は電圧が低い半導体や無線機器に関すること。

◆社団局
club station
クラブ局のこと。「クラブ局」を参照。

◆シャック
shack
「小屋」という意味だが、アマチュア無線では「無線室」(Ham Shack)の意味で用いられている。ハムシャック・ドットコムはアマチュア無線家のジョナサンとサラが作った趣味のサイト。

CW'erのN4EKVのシャック

◆ジャック
jack
プラグの差し込み口(メス)の総称。電話用のモジュラージャック。オーディオ信号用のピンジャック(RCAジャック)などがある。ちなみにメスの部品を英語で表現するときは「female」、オスの部品を英語で表現するときは「male」と言う。

◆ジャック・プラグ
jack plug
英語圏で「jack plug」というと、オスのプラグのこと。

ジャック・プラグ

◆ジャミング
jamming
通信や放送で他の電波や雑音の妨害を受けること。英語の無線用語である動詞の「jam」(放送や通信を妨害する)の動名詞。日本語の「混信」よりも狭義のニュアンスだ。

◆ジャンク
junk
「がらくた」のこと。アマチュア無線では、使えるかどうかわからない中古の無線機器やパーツ、米軍放出の未チェックの真空管などをいう。

◆ジャンパー
jumper
プリント基板に回路を巧く配線できなくなったときに用いるジャンパー線。「ショート線」「飛び越し線」とも。ハードディスクなどのパソコンの周辺機器で、工場出荷時の初期設定を変更するための小さなブロックも「ジャンパー」という。これは回路基板上にあり、微小なピンを抜き差しして設定を変更できる。

◆従事者免許
amateur radio operator license / amateur radio license / ham radio license
アマチュア無線従事者免許を「従事者免許」と略すことがある。日本では日本無線協会が実施する国家試験を受験して合格すると交付される。1990年の法改正以降は、第四級アマチュア無線技士(空中線電力10W以下の無線設備/CWを除く)、第三級アマチュア無線技士(空中線電力50W以下の無線設備)、第二級アマチュア無線技士(空中線電力200W以下の無線設備)、第一級アマチュア無線技士(空中線電力が1,000W以下の無線設備)がある。JARD(日本アマチュア無線振興協会)が養成課程講習会を開催し、法規や無線工学の授業をおこなっている。
アメリカではアマチュア無線従事者免許の試験は、FCCの職員ではなく、ボランティアのアマチュア無線家チーム(VEC:Volunteer Examiner Coordinator)がおこなっている。日本の第四級アマチュア無線技士に相当するのは「Technician」、第三級は「CW試験合格済みのTechnician, Novice」、第二級は「Advanced, General, Conditional」、第一級は「Amateur extra」。

◆周波数
frequency
電波や光、電流などが1秒間に何回、始点から終点へ周期的に振動(波動)するかの振動数が周波数。波動は、ゼロボルトから電圧が上昇し、プラス(正)の頂点に達すると今度は下降し始め、マイナス(負)の電圧の底に達すると今度はゼロボルトの位置へと戻り始める。波動の速度が速ければ速いほど(周波数が高ければ高いほど)、単位時間当たりに伝送できる波動サイクルの数が増える。単位はヘルツ、記号はHz。周波数は補助単位の接頭語を付けるのが普通で、たとえば1秒当たりのサイクルが1,000回だと1,000Hzではなく1kHz(キロヘルツ)と表す。同様に1秒当たりのサイクルが100万回だと1MHz(メガヘルツ)と表し、1秒当たりのサイクルが10億回だと1GHz(ギガヘルツ)と表す。なお、かつてはヘルツを「サイクル」(記号はc)と呼んでいた。「波長」を参照。

◆周波数帯
frequency spectrum
特定の範囲の周波数域。アメリカ人は spectrum という言葉をしばしば使う。

◆周波数偏移
frequency deviation / deviation
「frequency deviation」の日本語訳。搬送波(キャリア)に対してFM変調(周波数変調)をおこなうため、信号に応じて周波数を変化させること。コンピュータネットワークや携帯電話でデジタル信号をアナログ信号に変換する変調方式を「周波数偏移変調」(FSK)という。単に「デビエーション」とも。

◆周波数変調
frequency modulation / FM
略号は「FM」。AM(amplitude modulation:振幅変調)が搬送波(キャリア)の振幅を変化させて変調をかけるのに対して、FMでは搬送波の振幅を一定に保ちつつ周波数を変化させて変調をかける。FM型式はAM(振幅変調)に比べて広い帯域幅を必要とするが、受信時の雑音が少なく音質が安定しているため、ラジオのFM放送やテレビ放送の音声に用いられている。アマチュア無線では144/430MHz帯などのVHF/UHF帯の短距離音声通信でFM型式が愛用されている。

◆周波数弁別器
discriminator
周波数や位相を弁別する装置。「ディスクリミネータ」のこと。FM変調(周波数変調)で復調(周波数の変化を振幅の変化に変換)する目的で用いられている。俗称「ディスクリ」。

◆受信
receive
受信機で通信メッセージを受けること。受信する行為に免許は不要である。対語は「送信」。

◆受動衛星
passive satellite
地上局から受け取った電波を増幅したり送信し直したりする機能がなく、反射するだけの通信衛星。初期の通信衛星は受動衛星だった。対語は「能動衛星」。

米国で最初の受動衛星 ECHO-1

 ©NASA

◆受動素子
passive element
増幅作用や発振作用が無い回路素子。抵抗、コンデンサ、コイルが代表的な受動素子。

◆受動部品
passive part / passive parts
増幅作用や発振作用が無いパーツ。抵抗、コンデンサ、コイルが代表的な受動部品。

◆ショートコール
short call
日本で言うショートコールは、自局のコールサインも相手局のコールサインも1回しか呼ばないこと。英語圏で言うショートコールは、サフィックスがたとえば[W*φB]のように1文字のコールサインのものを short call sign と呼ぶことがある。

◆ショートパス
short path
海外のDX局と交信しているとき、電波が短い距離のパス(通り道)で届くのがショートパス、逆に地球の周りを遠回りして届くのがロングパス。パスの「ス」は th なので発音に注意が必要である。対語は「ロングパス」。

◆上級ハム
Advanced license for amateur radio operator
日本では1990年の法改正以降は、第二級アマチュア無線技士(空中線電力200W以下の無線設備)、第一級アマチュア無線技士(空中線電力が1,000W以下の無線設備)が上級ハムと呼ばれる。米国では、日本の第二級に相当するのが「Advanced, General, Conditional」、第一級に相当するのが「Amateur extra」である。

◆使用区分
Amateur Radio Band Plans
アマチュア無線向けに割り当てられた各周波数帯(アマチュア・バンド)のそれぞれにおける電波型式などのルール。「バンドプラン」に同じ。本書の「アマチュア・バンド」を参照。ハムバンドには使用区分(バンドプラン)がある。本書の「日本のアマチュア・バンド」と、本書の「米国のアマチュア・バンド」を参照。

◆常置場所
location of radio station
無線設備が常に置かれている場所。無線局免許状情報のひとつだが、家と車の両方で運用する局が移動中に「ホーム」といった軽い意味でも用いられる。

◆情報通信研究機構
NiCT / National Institute of Information and Communications Technology
独立行政法人のNiCT。「標準電波」(コールサインはJJY)を送信・運用していることで知られる。標準電波は「時間と周波数の標準」と「UTC(協定世界時)に基づくJST(日本標準時)」を国内外に知らせする目的でが運用している送信電波。長波帯のJJYでタイムコード(時刻情報)を送信している。送信する時間、周波数の標準と標準時の信号は、セシウムビーム型原子周波数標準器や水素メーザ型、実用セシウムビーム型原子時計群、人工衛星を使った国際時刻比較などを用いて非常に高い精度に保たれている。

◆消滅カントリー
deleted entities / deleted countries
かつてARRLが承認して存在していた「カントリー」(現在はエンティティと呼ぶ)が、政治的に併合されたりして消滅してしまった幻のカントリー。チベットの AC4 の例が有名である。本書の「抹消されたエンティティ」や「DXCC」を参照。

◆初級ハム
novice license for amateur radio operator
かつて日本では「電話級アマチュア無線技士」「電信級アマチュア無線技士」の従事者資格をそれぞれ初級ハムと呼んでいた。1990年の法改正以降は「第三級アマチュア無線技士」「第四級アマチュア無線技士」に変更されたため、現在では「第四級アマチュア無線技士」を初級ハムと呼んでいる。
米国では日本の第四級アマチュア無線技士に相当するのは「Technician」、第三級に相当するのは「CW試験合格済みのTechnician, Novice」である。
上級ハムを参照。

◆シリーズ
series
「直列」を参照。

◆シリアルナンバー
serial number
製造番号。電鍵の一部にシリアルナンバーが刻印されているものがあり、これにより製造年がわかるため、高級電鍵のコレクターたちはシリアルナンバーで相場を知る。
 たとえばバイブロプレックスのバグキーの場合、シリアルナンバーが400番から1,286番の製品は1905年前後に製造されたと分かるので、程度が良いと数千ドルかそれ以上の相場で売買される。
バイブロプレックスのシリアルナンバーから製造年を知る。

◆シリコン
silicon
非金属元素の「ケイ素」のこと。記号は Si 。半導体の素材として広く用いられている。米国西海岸のサンフランシスコ湾岸地区の一角がシリコンバレーと呼ばれていることはあまりに有名である。この土地でトランジスタの共同発明者であるウィリアム・ショックレーがシリコンを素材としたトランジスタを開発し、フェアチャイルド社はトランジスタを集積したIC(電子集積回路)を発明した。

◆真空管
vacuum tube / radio valve
電子管の一種。ガラス管などの内部を高度に真空に近い状態にして電極を封入、発振や増幅や検波に用いるデバイス。1904年に英国の物理学者ジョン・フレミング(1849〜1945年)が二極管を発明したのを皮切りに、三極管、四極管へと高度化した。ラジオやテレビ、無線機などの電子装置に盛んに活用されたが、1950年代後半にトランジスタが普及し始めると一気に半導体化が進み、現在では真空管はアマチュア無線家やオーディオファンの一部に愛用されるに留まっている。

◆シングルパドル
single paddle
レバーが1枚のパドル。デュアルパドルと異なりスクイーズ機能が無い。

◆シングルバンド
single band
コンテストで「シングルバンド部門」とあれば、いくつかのアマチュア・バンドでおこなわれるコンテストのうち、そのバンドだけで参加して交信数を競うことができる。シングルバンド機は特定のバンドの運用だけができるリグ。デュアルバンドは二つのバンド、デュアルバンド機は二つのバンドで運用できるリグ。

◆シングルモード
single mode
CWやSSBやFMなどの電波型式(モード)が単一であること。144MHz帯のFMハンディ機はシングルバンド・シングルモード機である。

◆人工衛星
satellite / artificial satellite
地球などの惑星の周囲を慣性で周回する人工天体。人類初の人工衛星は旧ソビエト連邦のスプートニク1号(1957年10月に打ち上げ)。2007年10月4日に月周回軌道に入った月探査機「かぐや」(SELENE)も人工衛星である。多数の通信衛星が地球を公転しているが、軌道によって分類すると、低軌道衛星、中軌道衛星、静止衛星(同期衛星)の3種類があり、それぞれに費用や寿命や通信のしやすさなどで長所と短所がある。低軌道衛星、中軌道衛星、静止衛星、衛星通信、アマチュア衛星を参照。

米国の人工衛星 TELSTAR  ©NASA

◆シンセサイザ
synthesizer
水晶発振子(クリスタル)に基本周波数を発生させ、極めて正確で安定した周波数合成をおこなう可変発振デバイス。昔のトランシーバはVFOでメインダイヤルを回して周波数を動かしていたが、近年のトランシーバは「PLLシンセサイザ」(Phase-Locked Loop synthesizer)と呼ばれる方式の可変発振回路で周波数を動かしている。

◆振幅変調
amplitude modulation
略称は「AM」。搬送波(キャリア)の振幅を変化させて変調をかける。FM放送以外の昔からのラジオ放送はAMである。アマチュア無線の世界では一時は両側波のAM型式が主流だったが、占有幅が大きくて混信が起きやすいことから、1960年代になってAMモードでSSBへの移行が始まり、現在のHF帯ではSSBが主流である。AM型式がその後も使われ続けた50MHzでも1975年ごろからSSBへの移行が始まり、現在ではSSBが主流となっている。

◆シンプレックス
simplex
通信用語で「単方向通信方式」(単信方式)のこと。二つの無線局が同一周波数を用いて、片方が通信し終わると「どうぞ」または「k」(−・−)と送信して代わる代わる交信する方式。この交信方法がアマチュア無線では一般的である。対語はデュプレックス(duplex)。シンプレックス方式は、ネットワークでは半2重(half-duplex)といい、一方が送信しているときには他方は送信できず受信状態になり、同時には送信ができない(または送信しない)通信方式のこと。双方が同時に送信できる方式は全2重通信(full duplex)という。

◆シンポコード
Signal strength, Interference, Noise, Propagation disturbance, overall Rating code
「SINPOコード」と書くことが多い。ラジオ放送の受信を趣味とするBCL(放送受信愛好者)用語のひとつ。受信電波の状態を以下の五項目について「SINPO=45544」などと数値で表す。BCLは1980年前後に一大ブームを迎えたが、その後は少しずつBCL人口は減少していった。

[信号強度](Signal Strength)
[混信の有無](Interference)
[雑音の有無](Noise)
[伝播障害の有無](Propagation Disturbance)
[総合評価](Overall Rating)

 

S(信号強度)

I(混信)

N(雑音)

P(伝播障害)

O(総合評価)

5

非常に強い

全く無い

全く無い

全く無い

完全に分かる

4

強い

少しある

少しある

少しある

分かる

3

普通

かなりある

かなりある

かなりある

どうにか分かる

2

弱い

相当ある

相当ある

相当ある

悪い

1

やっと聞こえる

非常にある

非常にある

非常にある

全く聞き取れない

◆真鍮
brass
しんちゅう。黄銅とも。銅に亜鉛を加えた合金。加工しやすく、赤黄色や黄色や金色に光って美しいため、電鍵のベースに好んで用いられる。

真鍮の名を冠した「ブラス・キャットハウス・キー」(米国ブラス・キャットハウス・ラジオ社)


す

◆スーパー・ヘテロダイン
super heterodyne
ヘテロダインを参照。

◆水晶発振子
crystal oscillator
水晶が起こす圧電気現象を応用して正確な周波数の発振をおこなうための素子。圧電振動子のひとつ。「水晶振動子」とも。単に「水晶」または「クリスタル」ともいう。

◆垂直アンテナ
vertical antenna
素子(エレメント)が垂直のアンテナ。「バーチカル・アンテナ」。水平方向の指向性は無い。電波が四方八方へ飛び、四方八方からの電波をまんべんなく受信できるメリットはあるが、その分、混信が多くなり、また特定方向へのゲインが少ないというデメリットがある。

◆垂直偏波
vertically polarized wave
電波の電界方向が地表に対して垂直の電波。垂直アンテナから発射される電波は垂直偏波である。対語は「水平偏波」。

◆スイッチング・レギュレータ
switching regulator
安定化電源の方式のひとつ(スイッチング・レギュレート方式)。シリーズ・レギュレータの装置重量と比べて驚くほど小型軽量・高効率である。パルス幅を制御することにより実現したテクノロジー。高速で電力をスイッチングすることからノイズが出やすいという難点があるが、シールドなどにより対策を講じている。

◆水平アンテナ
horizontal antenna
素子(エレメント)が地表に対して水平のアンテナ。「ホリゾンタル・アンテナ」。水平方向の指向性は素子の90度と180度(アンテナを東西に張れば南北方向に多くのゲインが得られる)。

◆水平偏波
horizontally polarized wave
電波の電界方向が地表に対して水平の電波。水平アンテナから発射される電波は水平偏波である。対語は垂直偏波。

◆スウィープ
sweep
「さっとなでる、払う」「走査する」の意味。バンドの全体か一部の交信状態をざっと見渡す目的で受信機の周波数帯ダイヤルを連続して回転させて周波数を変える(frequency sweep)などの行為。

◆スカイ・ミーティング
on-air meeting / on the air meeting / meeting on the air
あらかじめ約束し合った周波数で複数の局が参加してQSOすること。和製英語なので英語圏の人に「on air meeting」と言うと誤解される可能性がある。「オンエア・ミーティング」とも。

◆スキップ
skip
HF帯(3MHz〜30MHz)では電離層反射を利用して海外とDX通信を楽しんでいるが、地上から仰角で空へ飛んだ電波は電離層にぶつかると反射して地上方向に戻り遠方の局のところに届く。この送信地点と受信地点の中間地域は電波が届かないか、非常に微弱な信号しか届かない。この現象をスキップ(跳び越える)という。

◆スキップゾーン
skip zone
電波が電離層に反射した結果、特定の地域をスキップして(跳び越えて)とき、送信地点と受信地点の間を「スキップゾーン」(skip zone)または「不感地帯」という。スキップゾーンは、上空から見たとすると、送信地点を中心にドーナツ状の形となる。ドーナツの穴は送信地点を中心とする狭い範囲、ドーナツの外側は「入感地帯」である。

◆スキャッター
scatter
「散乱させる」という意味の名詞・動詞。電波工学では「電離層散乱」(ionospheric scatter)の意味。電離層内に乱れが生じることで電波が乱反射すること。思いがけないDX通信が実現することがある。スポラディックE層の反射による海面散乱、流星による散乱も知られている。

◆スキャン
scan
「走査する」「走り読みをする」などの意味。スウィープ(sweep)のニュアンスに近い。手動でダイヤルを回しながら周波数を変えてワッチしたり、物理的なものを対象にセンサーを自動的に移動してデータを得たりすること。「メモリー・スキャン」を参照。

◆スキャン・コンバータ
scan converter
SSTV(「スロースキャン・テレビジョン」または「低速走査テレビジョン」)の画面を家庭用のテレビ受像器で見るための変換器。約10秒に1枚の映像を伝送するSSTV方式の信号を1秒に60枚の映像を表示するFSTV方式のテレビ受像器の信号に変換する。1970年代から用いられるようになった。パソコンが普及してからはパソコンとパソコンのモニタを使用するアマチュア無線局が増えた。SSTVを参照。一般には、水平同期周波数が異なる映像信号を家庭用のテレビ受像器やコンピュータなどとの間で変換する装置。パソコンの画面表示を家庭用のテレビ受像器に表示したいときや、テレビ放送をパソコンのモニタで見たいときなどで用いられる。

◆スクイーズ
squeeze
2枚のレバーを持った電鍵のレバーを両方とも同時に内側に押すこと。短点と長点の交互自動送出をおこなうときにする操作。スクイーズは「両側から押し付ける」という意味。

◆スクイーズキー
squeeze key
2枚のレバー(デュアル・レバー)を持った電鍵。iambic方式対応のエレクトロニック・キーヤーとの組み合わせにより、短点または長点の自動送出や、短点と長点の交互自動送出を実現する。スクイーズキー、デュアルパドル、複式パドルなどは、呼称は違っても、その機能においては同じである。「エレクトロニック・キーヤー」「短点メモリー」「iambic」を参照。

CTヨーロッパ・デュアル

◆スケルチ
squelch
受信機やトランシーバの受信モード時に、入感が無いときでも聞こえるバックグラウンドの雑音を消すための機能。HFトランシーバやVHF/UHFのFMトランシーバのほとんどにこの機能が搭載されている。雑音混じりの微弱な信号でも受信できるよう、ツマミを回してスケルチのレベルを調整することができる。「キャリア・スケルチ」(carrier squelch)または「ノイズ・スケルチ」(noise squelch)ともいう。トランシーバのパネルなどでは「SQL」か「SQ」と略されている。「トーン・スケルチ」を参照。

◆スタック・アンテナ
stacked antenna / stack antenna
アンテナのゲインと指向性を高める目的で、同一特性・同一形状のアンテナを複数段、積み重ねたアンテナ。VHF/UHFの周波数帯向けの八木アンテナで採用されている。水平スタックと垂直スタックとがある。水平スタックと垂直スタックを組み合わせた多段スタックも用いられている。なお英語圏で「stacked antenna」というと、たとえば単に28MHzのアンテナと50MHzのアンテナを同じタワーに建てたという意味合いもある。

◆スタブ
stub
フィーダとアンテナの間でインピーダンスの整合をとる補助線。2本のアンテナ素子(エレメント)のそれぞれを長めにとり、その末端を90度に折り曲げてスタブとする場合が多い。アルミパイプのエレメントの場合、2本のスタブの間はショートバーという平たいアルミバーでつなぎ、ショートバーを移動することでインピーダンスの整合をとる。

◆スタンディング・バイ
standing by
おのおのの送信の最後に「スタンディング・バイ」と言うと「受信に移り、応答を待ちます」という意味。

◆スタンド・マイク
microphone with stand / stand microphone
机の上に自立するように基台が付属しているマイク。基台部分などにPTT(プッシュ・ツー・トーク)スイッチが付いていて、スイッチを指で押すと送信状態になり、指をスイッチから離すと受信状態になる。

◆スタンバイ
standby / stand by
「待機」という意味。電話通信では「お待ち下さい」という意味で用いられている。standbyは名詞・形容詞、stand byは動詞として用いられる。

◆スタンバイ・スイッチ
stand-by switch / standby switch
送信/受信の切替スイッチ。

◆ステイ
stay
アンテナの柱や屋根馬を支えるワイヤーやロープ。「支線」「支索」とも。

◆ストレート・キー
straight key
ノブを支えるレバーが真っ直ぐなタイプの電鍵。縦振れ電鍵の多くにストレートキーを見るが、レバーが湾曲したキャメルバックキーもある。

CTアジア

◆ストレートレバー・キー
Straight Lever key
レバーが真っ直ぐな縦振り電鍵の総称。1850年から1880年にかけての昔、欧米で複数の電鍵メーカーが競って製造した。現在でも愛用者が多い。

◆ストローク
stroke
「/」記号(斜線またはスラッシュ)で移動先のロケーションを示すこと。strokeは「(文字の)一画」という意味。日本では移動先が5エリアのときは「JAφBCH ストローク ファイブ」と言い、電信では「CQ DE JA0BCH / 5」と「/」(−・・−・)を付ける。海外でのストロークの使い方は国によって異なり、たとえばエストニア(ES)で日本人などの外国人がESコールで移動運用するときは「ES1** / JA0BCH」などと母国のコールサインを付加したりしている。

◆スパークキー
Spark key
接点で直接、無線機をON/OFFしてモールス符号を送出する電鍵。縦振れのオーソドックスな電鍵。マルコーニの時代から現代に至るまで広く長く用いられている。1895年から1920年代にかけての初期の無線電信時代、電鍵は高電圧回路に直結されていたため、モールス符号を打鍵すると、実際に接点からスパーク(火花)が飛んだため、この名がある。
スパークキーとは何かを知る。

タイタニック号が使っていた電鍵と同型のマルコーニ・スパークキー

© W2PM & W1TP

◆スピーチ・プロセッサ
speech processor / audio speech processor
マイクから入る音声信号が強すぎたり弱すぎたりするのを平均化するオーディオ装置、またはその機能を持つ回路。電話交信のためのSSB送信で、マイクから入る音声信号が強すぎると音声と電波が歪むので音量を下げる。またマイクから入る音声信号が弱すぎると交信相手が聴き取りにくいので音量を上げる。「コンプレッサ」「オーディオ・コンプレッサ」と呼ばれるものと同じ。

◆スプラッタ
splatter
SSBなどの送信機で過変調をかけると送信周波数の上下の数10kHzにわたって妨害電波を発射するが、この現象またはその妨害電波をスプラッタという。これを防止するためのスプラッタ・フィルタを内蔵しているトランシーバも多い。「過変調」を参照。

◆スプリアス
spurious
はた迷惑なほど(送信電波などが)「どうしようもない」こと。スプリアス電波というと「不要発射電波」のこと。

◆スプリット
sprit
受信の周波数と送信の周波数をずらすこと。珍局が出ると世界中のアマチュア無線局が呼び出すためパイルアップが起きるが、このとき、珍局が出ている周波数から少し離れた周波数で呼び出すことになる。高級HFトランシーバには受信の周波数と送信の周波数をずらすスプリット機能が付いている。なお「split frequency」は周波数分割のことなのでスペルに注意が必要。

◆スプリング・テンション
spring tension
電鍵のノブかパドルを押した後、キーが戻らないと次の符号を打鍵することができない。その反発力を得るためにスプリング(バネ)を用いているが、そのスプリングの張力がスプリング・テンション。スプリング・テンションを調整するためにネジが付いている電鍵が多い。スプリング・テンションの調節と接点間隔の調節は電鍵の使い心地を左右する最大のものである。スプリングではなくマグネット(磁石)でキーの反発力を得ている電鍵もある。

ポールチェンジャー(米国スパイ・エレクトリック社)

バイブロキーヤー(米国バイブロプレックス社)

◆スペクトラム
spectrum
電磁波の「周波数帯」「周波数帯域」のこと。「frequency spectrum」と書くことも多々ある。原意は「範囲」。電気通信におけるスペクトラム拡散通信とは、極端に広い周波数帯域に信号を拡散して送信する方式。光学では「スペクトル」とも。

◆スペクトラム・アナライザ
spectrum analyser / spectrum analyzer
「周波数分析器」「周波数分布分析器」と訳されている。多くの周波数成分からなる電気信号を分析して表示するデバイス。おのおのの周波数の信号強度をビジュアルに観測することができる。電波だけでなく、音や光のスペクトラム・アナライザも製品化されている。

◆スポッター
spotter
原意は「観察者」。DXスポットを中心にDX局(当然、珍局)が出ているかどうかワッチしてインターネットや雑誌に公表する人。スポッターの一人、IV3GKEによる「IV3GKE web cluster and dx-call lookup by dxzone.com」。

◆スポット
spot
特定の点や位置のこと。幅のある周波数帯域ではなく、特定の周波数。DXスポットはDX局(当然、珍局)が出る周波数。たとえば21.295MHzはDXスポットであり、ありふれた局はみだりに出ないのがマナー。アマチュア無線にも割り当てられている4.630MHzは非常呼出専用のスポット・チャンネルであり、電信でのみ運用できる。

◆スポラディックE
Sporadic E propagation / Sporadic E / Es
電離層の「スポラディックE層」または「スポラディックE層伝播」を意味する。英語圏などでは「Es」と略記するが、日本では「Eスポ」と呼ぶことが多い。Sporadic は「突発的な」という意味。スポラディックE層は突発的・局所的に現れる電離層で、春から夏、特に夏の昼間、上空約100km前後の高度に発生することが多い。スポラディックE層が現れると、50MHzや144MHzなどのVHF帯で突然、遠距離通信が開ける。

◆スミス・チャート
Smith chart
アンテナ周りのSWRやインピーダンスの値を求めるために使われている円形のチャート(図表)。戦前、米国のフィリップ・スミスが発明したとされている。

◆スラッシュ・ゼロ
slash zero / slashed zero
信越地方のコールサインに付く「0」はアルファベットの「O」と間違えやすいのでギリシャ文字の「φ」(ファイ)を用いている。このスラッシュ(斜線)が入ったゼロをスラッシュ・ゼロという。

◆スロースキャン・テレビジョン
Slow Scan Television
「低速走査テレビジョン」とも。略称はSSTV。静止画像を1枚当たり10秒前後(時には数十秒)かけて送受信する。かつてはスキャン・コンバータを使っていたが、パソコンが普及してからはパソコンを使用するアマチュア無線局が増えた。使用する周波数帯域幅は音声と同じかそれ以下である。アナログSSTVとデジタルSSTVとがある。短波帯でSSBモードによりSSTVを楽しんでいる人もいる。SSTV以外に、1秒間に30コマの動画をやりとりする「高速走査テレビジョン」(FSTV:Fast Scan Television)もおこなわれている。コールサインなどの文字を掲示するときは、スーパー・インポーズ装置の一種であるキャラクター・ジェネレータを用いることがある。「ATV」「スキャン・コンバータ」を参照のこと。


せ
◆正弦波
sine wave
サインカーブ(正弦曲線)で表わされる波形の波。発振器や家庭用電源の交流は正弦波に非常に近い。正弦波の曲線は「y=sin x」のグラフで描画することができる。

◆整合
matching
「マッチング」ともいう。整合をとること。アンテナ周りなどのインピーダンスの整合をとって効率を高めること。

◆静止衛星
geosynchronous satellite
人工衛星を赤道の上空約3万5,900キロの軌道に乗せると、人工衛星の公転周期は地球の自転周期と同じ24時間になり、静止衛星を地上から見ると静止して見える。このため24時間、いつでも上空の見通し範囲にある静止衛星と通信することがでる。人工衛星の公転周期と地球の自転周期を同期させることから静止衛星を「同期衛星」と呼ぶこともある。静止衛星は高々度を公転するため、地上からの見通し範囲を広くカバーできる(地上の全てをカバーするのに必要な人工衛星数は3個)。高々度の人工衛星は大気の抵抗が少ないため寿命は半永久的だが通信のタイムラグやデータの伝送遅延が大きい。静止衛星のアマチュア衛星は無いため、時々刻々変化する衛星の位置(方位と仰角)を把握しないと通信できない。次世代型アマチュア衛星(アマチュア無線では「Phase 4と呼ぶ)として静止衛星の期待があるが、静止軌道の空きが少ないことや費用の関係で困難視されている。


同期衛星の第1号機 Syncom (高度35,900km)。機能停止のため1963年に Syncom II が打ち上げられ、これが初の同期衛星となった。 ©NASA

◆静電容量
capacitance
「キャパシタンス」とも。コンデンサや導体が蓄電できる量を表わす定数。記号はC。共振回路を参照のこと。

◆世界時間
GMT: Greenwich Mean Time / UTC: Coordinated Universal Time
かつては「グリニッジ標準時」(GMT)が世界標準時間として用いられてきた。
タイムゾーン名は「Z」。電信では24時間制で表記して午前8時半ならば「AT 0830 Z」とする。GMTは世界中にあるタイムゾーンの標準時(日本標準時のJSTなど)の基準になっていた。「グリニッジ」は英国ロンドン郊外の旧グリニッジ天文台に由来する。この天文台を通る子午線上の平均太陽時がGMTである。別名「Z-Time」「Zulu Time」とも。1974年以降は「協定世界時」(UTC:Coordinated Universal Time)が広く使われているが、UTCとGMTの時刻は同じである。

◆世界無線通信会議
World Radiocommunication Conference
「WRC」と略す。電波の周波数割当を決める国際会議の一つ。1993年にWARCの業務を引き継いだ。周波数割当のほか、通信衛星の利用方法や無線局の運用方法などの国際ルールである「無線通信規則」(RR:Radio Regulations)の改定を決める。「国際電気通信連合」(ITU)のITU-R(無線通信部門)に属す。

◆世界無線通信主管庁会議
World administrative radio conference
「WARC」と略す。電波の周波数割当を決める国際会議の一つ。1993年に「世界無線通信会議」(WRC:World Radio communication Conference)がWARCの業務を引き継いだ。主管機関は「国際電気通信連合」(ITU)である。

◆セカンド
second / 2nd
二回目の交信(second QSO)。「2世」の意味があることから「息子、娘」。

◆赤道横断伝搬
trans equatorial propagation
「TEP」と略す。1947年10月号のQST誌によれば、1940年代、軍とアマチュア無線家がVHF帯の電波で、地球の南北を縦断して交信でき、逆もまた同様に赤道を横断して交信できることを発見・立証した。

◆接地
ground / earth / ground earth
「地球」「大地」「接地」「接地線(アース線)」を意味する言葉。米語では「グラウンド」(ground)といい、英国では「アース」(earth)と表現することが多い。「アースをとる」というのは、地下深くに銅製のアース棒や炭素製のアース棒を海込み、棒につないだワイヤーを無線機の筐体(ケース)につなぐこと。感電の防止、不要電波発射の防止、受信雑音の防止などが目的。

回路内グラウンド記号

◆接地アンテナ
ground antenna
アースをとることを前提とするアンテナ。代表的な接地アンテナにロングワイヤー・アンテナや逆L型アンテナ、ホイップアンテナなどがある。たとえば逆L型アンテナは1/4波長のアンテナ・エレメントの途中を90度に曲げたアンテナである。

◆接点
contact / contact point
電鍵のコンポーネントの中で最も重要なもののひとつで、モールス符号を送出するためのスイッチの一種。人間が手でノブやレバーを押している間は、電鍵の接点が閉じて通電し、無線機に電波の送信を命令する。ノブやレバーから手を離せば接点は開いて送信は止まる。接点のフェースの素材に何を用いるかでその電鍵の性能の善し悪しが決まるので、高級電鍵では銀の素材に金メッキをして接点不良を防いだり高速打鍵時の信号の乱れを防いだりしている。

◆接点間隔
contact space
電鍵のフェースとフェースの間の距離。接点間隔の広さ狭さでキータッチが微妙に変わるし、打鍵スピードによって接点間隔も調整せねばならず、しかもCW'erの好みは百人百様なので、多くの電鍵に接点間隔の調整機構が備えられている。

◆ゼネラル・カバレッジ
general coverage
アマチュア・バンドだけでなく、放送や通信がおこなわれている周波数の全体を受信できること。高級HFトランシーバは30MHz以下の周波数帯でゼネラル・カバレッジに対応している。俗称「ゼネカバ」。

◆セパレート
separate
「separate」には動詞・形容詞・名詞がある。送受信機が同一筐体内にあるトランシーバではなく、送信機と受信機が別々のリグを「セパレート・タイプ」(separate transmitter and receiver)という。

◆セブンティ・スリー
seventy three / 73
男性との交信の最後に打鍵したり言ったりする「さようなら」のあいさつ。日本では「ななじゅうさん」とも言う。強調して「ベリー・ベスト・セブンティ・スリー」と言うこともある。

◆セミコンダクタ
semiconductor
「半導体」のこと。常温における電流の伝導性が、銅のような良導体と、ガラスや雲母のような絶縁体との中間である性質を持つ固体素材、または素子、または素子の集積回路。シリコン、ゲルマニウム、セレンなどが素材として用いられている。トランジスタの発明で半導体は「産業の米」とまで呼ばれるほど多用されるようになった。

◆セラミック・コンデンサ
ceramic condenser
セラミックの原意は「陶磁器の」。1940年代半ば、チタン酸バリウム(barium titanate)の誘電率と圧電気効果が非常に優れていることがわかり、以後、これを誘電体に用いたセラミック・コンデンサが多く使われるようになった。またセラミック・トリマーはチタン酸バリウムの圧電性(圧電気効果)を用いる可変コンデンサである。セラミック・フィルタ(セラミック電波フィルタ)は同様の素材の圧電性を利用した狭帯域フィルタである。

◆ゼロ・イン
zero-in
二つの周波数、たとえば受信と送信の周波数などを一致させること。

◆ゼロ・センター・メーター
zero center meter
メーター(計器)の中央にゼロが位置し、針がゼロ点の左右に振れるするタイプのメーター。英語圏の人に「センター・メーター」というと、いくつかあるメーターのうち中央のものを指すと誤解されやすいので、「ゼロ・センター・メーター」と表現すると良い。

◆ゼロ・ビート
zero beat
二つの信号の周波数をピタリ一致させるとビート音が聞こえなくなる。これがゼロ・ビートの状態である。ビート音とは、二つの信号を合成したとき、周波数差が可聴範囲内だと聞こえる音。米国には「Zero Beat」という会報(Newsletter)を発行しているアマチュア無線団体もある。

◆センター・メーター
zero center meter
メーター(計器)の中央にゼロが位置し、針がゼロ点の左右に振れるするタイプのメーター。英語圏の人に「センター・メーター」というと、いくつかあるメーターのうち中央のものを指すと誤解されやすいので、「ゼロ・センター・メーター」と表現すると良い。

◆センチ波
centimeter
極超短波(波長1m〜10cm/300MHz〜3GHz)よりもさらに波長が短くて、波長がセンチ単位で表される電波。おおむね「波長10cm〜1cm/3GHz〜30GHz」とされている。

◆占有周波数帯幅
-
無線局免許用語のひとつ。送信機が発射する電波が占有する周波数の幅をいう。それぞれの電波型式によって幅が異なる。


そ
◆ゾーン
zone
「地帯」「区域」。世界を40に区分した「CQゾーン」(CQ Zone)によれば、日本は Zone 25 、北米は Zone 1〜5 である。本書の
「世界地図でわかるCQゾーン と CQゾーン・エンティティ・リスト」 と 「 世界地図でわかるITUゾーン」を参照。

CQ WAZ (Worked All Zones) MAP (1947年)

◆ゾーンマップ
zone map / zoning map
CQゾーンやITUゾーンの区割りを見るためのマップ。区割りの線とゾーン番号とコールサインのプリフィックスが入っている。世界のタイムゾーンと時差を示すゾーンマップもある。英語圏では「ゾーニング・マップ」ともいう。

◆相互運用協定
mutual agreement for ham radio operation / Memorandum of Agreement for ham radio operation
アマチュア無線資格の相互認証に関する二国間協定の正式呼称。日本は、アマチュア無線免許を所持するアマチュア無線家の海外での運用に関して、いくつかの国と相互運用協定を結んでいる。2007年10月現在、アメリカ、カナダ、ドイツ、フランス、オーストラリア、韓国、フィンランド、アイルランド、ペルーの9ヵ国と相互認証を交わしている。無線従事者免許証と無線局免許状の英文証明が必要な国もあるが、アメリカとフランスは申請不要である。

◆送信
transmit
送信機で電波により通信メッセージを送ること。送信するには携帯電話やCB(シチズン・バンド)などの例外を除いて免許が必要である。対語は「受信」。

◆送信機
transmitter
発振回路で生じさせた搬送波(キャリア)を、そのまま断続してモールス符号としたり、音声や画像・映像で変調し、増幅してアンテナから発射する装置。

◆総務省
Ministry of Internal Affairs and Communications
行政機関の省庁のうち、電波監理をおこなっている省。総合通信局が電波監理を担当している。「電監」を参照。

◆側波帯
sideband
振幅変調をかけたときに搬送波(キャリア)の周波数の上下にできる周波数成分。上下どちらかの側波帯を単側波帯という。無線通信でメッセージを届けるには上下どちらかの側波帯(単側波帯)しか必要としない。SSBでは搬送波(キャリア)の抑圧と、上下どちらかの側波帯(USBかLSB)の抑圧をおこなって効率的に送信する。しかし完全に上下どちらかの側波帯の不要な電波を消し去ることはできない。これをどれくらい抑圧したかを示すのが側波帯抑圧比である。「SSB」「USB」「LSB」を参照。

◆ソリッド・ステート
solid state / solid-state
真空管の代替として半導体のトランジスタやIC(集積回路)を用いた電子回路。または電子回路や電子装置で半導体を用いていること。主に1960年代に使われていた言葉なので、半導体全盛時代の今日では死語に近い。

◆ソリッド抵抗
solid resistor
「固定体抵抗器」のこと。炭素の微粒子を抵抗体の素材とし、これに合成樹脂などを混ぜて製造したもの。大量生産が可能なため自作派に愛用された。


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