周知のように7MHz帯や3.5MHz帯など9MHz以下ではLSBが用いられているし、14MHz帯や21MHz帯など9MHz以上ではUSBが用いられている。なぜだろう。 ![]() Rod Dinkins(AC6V)の見解 なお、SSBに関する「9MHzルール」はFCCのような公的機関が定めたものではなく紳士協定なので、7MHz帯や3.5MHz帯などの9MHz以下でUSBを使う人もいる。
有名な伝説的 DX-peditioner のひとりに1960年代(1962〜1967年)、世界的に活躍した米国イリノイ州シカゴ出身のドン・ミラー(Donald Alan Miller、W9WNV、その後はAE6IY)がいる。 ![]() 鈴木肇OMらはドン・ミラーを刑務所から救出するために「極東DX基金」(FEDXF:Far East DX Foundation)と言う非営利団体を設立して弁護費用のための寄付金を募った。こうしてドン・ミラーは2002年6月に仮釈放された。 一方、長谷川亮一OMのウェブサイト「沖ノ鳥島とアマチュア無線」によると、ドン・ミラーは1963年に沖ノ鳥島で史上初のDXペディションをおこなったとされているという。当時、沖ノ鳥島を含む小笠原諸島は米国の占領下にあり、日本(JA)とは別のカントリー(エンティティ)とされていた。長谷川OMによるとドン・ミラーは「KG61D」のコールサインで1963年5月31日から6月2日までの約33時間にわたり沖ノ鳥島で単独運用を決行、2,379局と交信したとされるという。不思議なことに本来は「KG6ID」のコールサインになるはずが“タイプミス”のせいで「I」が数字の「1」(いち)になってしまったらしい(?!)。長谷川OMは「ほとんど陸地らしい陸地のない沖ノ鳥島で、いったいどのようにして3日間も無線局を運用したのかが気にかかるところだが、あいにくその点の詳細は明らかでない」という意見を述べられている。ちなみに長谷川OMはアマチュア無線家ではないが、海洋島嶼の環境については体験があるという。ドン・ミラーは1967年12月までDXペディションを繰り返したものの、その真偽について、さまざまな憶測が飛び交い、ARRLとの間で深刻なトラブルに見舞われるのである。
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